オルタナティブ・ブログ > 広報をめぐる冒険 >

一口に広報といっても内容はさまざま。現場での広報活動の実際をご紹介します

楽天の緊急会見について

»

今日、仕事場に戻ってテレビをつけたら、「TBSに対する提案申し入れについて」というタイトルの、楽天の記者会見がライブ中継されていた。ちなみに偶然にも6チャンネル。今朝の朝刊で「TBS、村上ファンドが筆頭株主――楽天も提携交渉を打診」という記事が掲載されたので、事実を正確に伝える、という名目で開かれた会見だ。

会場はどこなのか、何名くらい出席されたのか、画面ではよくわかりませんでした。
出席された方がいましたら、教えてくださいね。

おもしろそうなのでみていると、急な記者会見にもかかわらず大勢のメディアの方たちがつめかけ、カメラのフラッシュがぱしぱしとたかれっぱなし。司会が「三木谷社長がプレゼンをするので、カメラの方はフラッシュはご遠慮ください。移動してください」と再三お願いしているのに、一向に移動する様子もなく、三木谷氏も困惑気味。どうにか関係者の誘導で移動し、プレゼンがはじまった。

まず、「時間が遅れたこととにお詫び申し上げます。またカメラの方には移動いただき、ご協力ありがとうございました。」という挨拶からはじまった。話の主旨はざっとこんな感じ。
「昨日、楽天の子会社を通じてTBSの株式の15.46%を取得した。これは買収ではない、TBSを傘下におさめるのではなく共同持ち株会社を作ることで、日本発の世界に通用するメディアグループを設立したい。テレビ、ラジオとインターネットの融合によりメディアとしての可能性が広がり、収益拡大も期待できる」

テレビでは最後までスクリーンのプレゼンは写らず、三木谷氏の姿のみが放映された。濃いグレーのスーツにたぶん白いシャツ、うすいグレーのネクタイという控えめな姿は、楽天のパワーを誇示しないため、威圧的な印象を避けるためだったのでしょうか。

さて、今回の株式取得に対して、TBS広報から7行程度のコメントが届いたと番組で紹介されていた。「両社協議の中で、何の事前連絡もなくこのように短期間で株式取得をするなど唐突な印象を受けた。今後の対応は慎重に検討したい」というような内容。両社の思いの違いが歴然としている。

広報的な観点からすると、

・新聞にリークしたのだろうか、発表の経緯には疑問がある

・急な会見なのにプレゼンまで準備していて用意周到だなあ(配布資料は足りなかったようだが)
・三木谷氏の説明、態度にはスキがなくてさすがだなあ

などと思ったりした。

現場の人はさぞ大変だったでしょうね。

Comment(2)