[広報]え?製品情報を伝えない?プレスリリースの変化
先日、日本IR協議会のIR-COMの機関誌「IR-COM」の9月号にソーシャルメディアと広報活動に関する寄稿をさせていただきました。これは3回シリーズになっており、私が2回目、1回目が鶴野さん、3回目が雨宮さんです。
私は、続々と生み出される新しい活用法と題して、ソーシャルメディアと従来型の広報活動の組み合わせ等の事例を紹介したのですが(mixi、サイボウズ、インフォテリア、ツイッター等について触れています)、ここに書ききれなかった内容として触れておきたい事があるのでブログに書きたいと思います。
それは、製品情報のないプレスリリース風な発信が増えてるな
ってことです。(良いか悪いかの議論は別として)
多くの場合はこのパターンです。
- 自社サービスに関心のある人、買ってくれる可能性がある人が興味を持つネタは何だろうかと考え、ネタを絞り込む
- 季節やブームを考慮し、記事になりやすい、ネットで広まりやすいネタは何だろうかと考え、更にネタを絞り込む
- ありもののデータ、もしくはネットを使った調査を調査会社に依頼、見やすく取りまとめる
- プレスリリースとして配信
- 記事やブログになったり、ネットでシェアされて拡散
例としては、以下のようなものがあります。
インフォグラフィックス+既存データ
トップは成人1人あたりビールジョッキで年間90杯!奈良・鹿児島・埼玉がワースト3! 「ビールをよく飲む都道府県ランキング」公開インフォグラフィックで見る全国のビール消費量(ぐるなび)
これは、キレイなイラスト(以前この記事で触れました「IT Leaders:調査の数値に惑わされないポイントと綺麗な絵でエッセンスを伝える工夫」)でわかりやすく表現することと、ワーストのランキングも入れたり、理由を入れたりしたことで「自分はこう思う」というコメント付きでツイッター等で多数引用されました。
話題のドラマ+ネット調査
年収1000万円超のビジネスパーソン、『半沢直樹』の登場人物の中で、上司にしたいのは誰?(ビズリーチ)
こちらは話題となったドラマに関連した調査を行った例です。同社のサービスの紹介は無いですが、人材紹介の対象者と、ドラマの視聴者の親和性は高そうです。
新製品がなければ、コンテストやユーザー事例のプレスリリースを出すという流れは昔からありましたが、調査やランキング系が、目に見えて増えている印象を受けます。
統計的にどうなのか?良い、悪い、自社でやる、やらない、という議論はひとまず置いておいて、新しい手法として知っておくことは重要ではないかと思いました。
余談ですが、インフォグラフィックスに関してはB2Bの世界でも当たり前となっています。以下はウインドリバーのIoTのインフォグラフィックスのサイトです。
既に広報の基盤のある会社のユニークな例を書きましたが、まずは自力でやってみるという方は、通常のプレスリリースから取り組んで頂くのがよいかと思います。
参考:超小さいベンチャーの広報を自力でやる。プレスリリース3つのポイントとは?