『枯れた技術の水平思考』を学び直すため『横井軍平のゲーム舘』を読む
前回のエントリーで、『枯れた技術の水平思考』のキーワードを出したところ、
ちゃんと勉強した方が良いと河野さんから下記の本をおすすめされました。
『横井軍平』がなにをしたか、
どんな考え方でヒット商品を作っていったかが書いており、
勉強になりました。
特に第5章の『これからクリエイターを目指す人に』の内容は、
1997年、僕が14歳のころに書かれたとは思えないほど、
見識あるクリエイターの心得が書かれています。
最も僕の心にヒットした第5章の項目は、
『ユーザは何を「求めていない」か』でした。
多様化、高機能化をはかり、どんなサービス、メーカーもしのぎを削ります。
しかし、横井軍平氏はこう書いています。
上記項目195Pよりーーーーーーーーーーーーーーー
あるユーザーがあるニーズを言ったときに、
それを聞いて技術差がものを作っていこうとすると、
自分の技術で「あれもできる。これもできる」ということで、
ユーザが求めている以上の事を付け加えてしまう。
だから電子レンジなんかで使い方がよくわからないというものがたくさんある。
あれは技術者の遊びですよ。
ーーーーーーーーーーーーーーー
会社で商品企画や開発などの現場では
「他社との差別化ポイントは何だ!」
と口うるさく言われるのがなんとなく想像がつきます。
実際のところ差別化されたものは、ユーザのためではなく、
『技術者の遊び』としてつけられただけかもしれない。
もちろん時には、「遊び」を許容することで
新しいステップが生まれる可能性がありますが、
本質として、『ユーザのニーズを満たす』という概念に立ち戻れば、
必要の無い部分を削り、必要な機能を際立たせることも重要なのだと思います。
読めば読むほど、横井軍平氏は
『今一般化した技術をどう他の分野で応用し新しい物を作るか、
新しい物に何が必要であり、何が不要か』
を見極める事が重要だと教えてくれているような気がしました。是非、一読を。