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IT投資のユーザ満足度、日本は米国の三分の一

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アクセンチュアの沼畑さんたちが書かれた「強いIT戦略」に、日米のユーザ満足度が書かれていた。ここ2,3年の間にIT化された業務システムの満足度を問われて、大いに満足していると答えたユーザは、米国59%日本20%だ。三倍の開きがある。
私はこの結果を見ても驚かない。当然だと思う。日本は、ユーザ(業務部門)が自分のこととしてシステムの開発や導入を主導的に進めていないからだ。IT部門やシステムインテグレータに丸投げしてしまっているからだ。
仕事をしているのは自分達で、その細かい機微まで第三者に理解しろというのは所詮無理。それでもわかって欲しかったら、一年くらいSEを現場に人事異動して、一緒に仕事をしてもらって、そのSEが仕事をよく理解できて、大丈夫と判断できたら、丸投げしてもいいかも知れないが。
この本でも、日本のユーザ部門の丸投げ体質を指摘している。わが意を得たり。ITは仕事をする上の道具に過ぎない。システム開発は委託したが、仕事の仕方まで委託したわけではないだろうから。
ただ、個人的には素晴らしいITコンサルタントがいる。そういう方は例外なく現場にどっぷり入り込む。掃除のおばさんにもインタビューする。発注者との喧嘩も辞さない。ほんとうにユーザのためになるのなら。技術士の杉浦和史氏はそんな稀有なエンジニア。

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