ゴルフ:ソニーのスマートゴルフセンサーの活用例
以前も紹介したソニーのスマートゴルフセンサー、練習場向けの仕事をしている関係で、練習場向けに仕事で扱うことになりました。
ソニーさんからお誘いいただき、BUZZ GOLFの試打会イベントに立ち会ってきました。ソニーコーナー以外は全部シャフトメーカーさんだったのですが、大勢の人が体験してくれました。とくに、自分でスマホを持参していた人には、その場でアプリをインストールしてもらい、あとからでもスイングデータを確認できるので、その場だけでなく自分のデータを持ち帰ることができるのは良かったのではないかと思います。
体験してくれた方に、私なりにソニーのスマートゴルフセンサーをどう活用するのが良いかを、一応ドラコンプロですのでドライバースイングを中心に紹介しました。簡単に紹介してみましょう。なお、例として載せている動画は私の大して上手くもない動画で、あくまでもスマートゴルフセンサー活用方法の説明用です。スイング自体は参考になるようなレベルではないことをご了承ください。。
まずは自分のスイング動画をじっくりと観察することが大事です。スマートゴルフセンサーアプリでは再生速度をスローにしたりすることができますし、スライダーを指で動かしながら好きなスピードで動かすことができ、便利です。
お絵かき機能も使えます。頭の位置がどう移動しているか、上半身の前傾角がどうか、シャフトの角度はアドレス時とインパクト時でどう違うかなどをじっくり観察できます。
アドレスと同じ感じでインパクトすると思っている人が多いかもしれませんが、アプローチショットなどのようにゆっくり振る場合はともかく、ドライバーなどの長いクラブになるほどシャフトのしなりや遠心力の影響で、アドレスとインパクトでの様子はいろいろと違ってきます。ピッタリ同じでないと駄目なスイングということではないことは注意するとよいと思います。とはいえ、あまりにも頭の位置が違ったり、前傾角が起き上がったりするのはもちろん良くないですね。
スマートゴルフセンサーではシャフトの動きを視覚化して見ることができます。上のスイングの軌跡ですが、アドレス時とインパクト時でグリップの位置が同じように表示されているのはちょっと違う気もしますが、センサーの特性上、シャフトのしなりは測定できないので仕方ないですね。
テイクバックの黄色いラインよりダウンスイングの青いラインが上にあると、アウトサイドインのカット軌道だ、と判断したくなりますが、実はテイクバックでコックを早めに入れるとヘッドの位置は低い軌道を描きます。グリップの位置も合わせて観察しないと勘違いしますので気を付けましょう。私の場合はコックが早いのでテイクバックのヘッド軌道は低めに見えます。なお、テイクバックでコックを使いすぎるとオーバースイングやクロスシャフトになりやすく、フェースも開いてダウンスイングに入りやすいという問題はあり、私のスイングもそんな感じです。
さて、イベント会場で体験した人のほとんどの人が「もっと飛ばしたい」と話していましたが、飛ぶスイングかどうかは大体スマートゴルフセンサーの軌道を見ると分かります。飛ばない人の軌道はテイクバックとダウンスイングの軌道が正面から見てほとんど重なります。飛ぶ人はダウンスイングの方が体に近いラインになります。飛ばない人はトップからヘッドを早めに下ろして腕のスピードでしか振れないのですが、飛ぶ人はトップで手首を柔らかく使い、グリップを下ろす感じで振るので、ヘッドが体の側を通り、インパクト手前で手首を中心とした回転に半径が小さくなると同時にヘッドが加速します。いわゆる「タメのあるスイング」となります。
男性の場合は大抵野球をやったことがあるためか、棒を振って球を飛ばすイメージがあって、タメは多少なりともある人が多いのですが、女性はかなりの人がタメを作れず、スマートゴルフセンサーの軌道も重なります。
ある程度までは腕力で飛ばすのではなく、ヘッドの遠心力をうまく使えば飛びますので、ソフトにグリップして、手首を柔らかくして、トップからグリップを下ろすイメージにするだけでだいぶ変わると思います。
さて、スマートゴルフセンサーアプリの便利な機能として、スイング比較があります。私の最近のスイング(左)と夏頃のスイング(右)を並べていますが、夏頃のスイングはトップから上半身がまず回転しつつ、腕が下りてくる感じで、アウトサイドインのカット軌道になることが多く、フォローも窮屈で肘が引けた感じでしたが、できるだけ上半身を回さずに腕を下ろすように練習しているところです。まだ不満ですが、こうやって比較すると具体的にイメージできて分かりやすいのです。
重ねて表示することもできます。サイズや位置も調整できるので違う練習場で撮影したものでもなんとか重ねられます。2つの動画のインパクト位置を合わせてくれるので、一緒に再生して使いやすいのです。
イベントではこの写真のように、常に各メーカー6人以上の待ちになっていたくらいで、5時間立ちっぱなしで休む暇なく対応していました。自分でもいろいろなシャフトの試打をしてみたかったのですが、それどころではない盛況ぶりでした。
調子が悪いときに、道具が合っていない?とか、フェースをとりあえず閉じて構えるか、など考えてしまいがちですが、人間の体は自由度が高いので、毎回同じようにスイングすることは難しいことなのです。スマートゴルフセンサーを常に使っていれば、調子が良いときの比較が簡単ですし、レッスンを受けたりした時にも、レッスン前後での違いも分かります。ツアープロのように常にコーチがついていてくれれば悪いところをすぐに指摘してもらえますが、趣味でやっているゴルファーとしては毎回レッスンプロにつきっきりで指摘してもらうのは無理です。こういうツールを活用することで無駄な遠回りをしなくてすむことは確実だと思いますので、是非多くの人に使ってみてもらいたいということで、練習場向けビジネスのひとつとして扱うことにしてみました。
弾道シミュレーターが使える練習場が出てきましたが、飛んだボールの測定をしてくれますが、自分のスイングの様子は測定できません。スマートゴルフセンサーのようなツールをあわせて使うことで、より効果的な練習ができると思います。