書評:売れる仕組みをどう作るか
ブロガー仲間の永井さんの新著「売れる仕組みをどう作るか」を拝読しました。
もういったい何冊書かれたのだろう?という永井さんですね。私が最初にお目にかかったときには自費出版で1冊出版していて、その時点で私は確か8冊くらいは書いていましたが、今ではすっかり数でも抜かれましたし、売れた数では神のような存在です。
さて、私が本の内容をまとめても意味がありませんので、いつものように読んで考えたことを書いておきます。
この本は「PDCAでは駄目、仮説検証だ」と説いています。個人的に昔から「PDCA?そんな面倒なことやってられん!」とものぐさ(?)な私は思っていて、プログラミングでは「とっとと作って動くものを見てもらう」「行けそうと思ったらすぐ現場投入」とやってきましたし、製品販売でも「完璧と思う状態まで待たず、とっとと売ってみる」とやってきました。もちろん結果として「つぶせていない問題により大騒ぎになった」「ほとんど売れなかった」ということもありましたが、「とっととやってみたから早く結果がわかった」わけですし、「世に出してみたから市場の反応がわかった」わけです。
とはいえ、これが「仮説検証」かどうかは微妙で、うちのメンバー達から見れば「たんなる当てずっぽう」と思っているかも知れません。
個人的には、何事も完璧な準備など無理で、「仮説検証」自体も、完璧な仮説を立てることも、完璧な検証をすることも無理なわけで、「仮説検証」を完璧にやろうと考えるよりも、そういう動きが今の世の中にマッチしていて、それで成果を出しているところがある、という事実を背景に、より胸をはって「なんでもやってみる」ことで良いのでは?という、都合の良い感想を持ちました。
この本でも書いてありますが、日本は「成功することが絶対条件」「失敗は厳しく追及される」ということが多いと思います。しかし、多くの失敗なしに成功など得られるわけはなく、やってみながら失敗して業界・世の中を知ることで、どうすれば良いのかが見えてくるものです。それでも、似たような取り組みで成功している事例を知っているかどうかは心の支えになりますので、この本で紹介しているような成功事例も大事だと私は考えています。
自分の著書でも、「私はこうやってみたらうまくいった」という感じのことを書くと、「単なる自慢話」「たまたまうまく行っただけ」「読んでいて気分が悪くなる」などと批評されることもそれなりに多いのですが、失敗談と同じように成功談も大いに参考にすべきで、そのまま真似をするのではなく、自分の考え方がうまくいくかどうかの判断材料の1つとしたり、くじけそうなときに心の支えにすれば良いものです。もちろん、合わない考え方もあるでしょうから、それは単に無視すれば良いだけで、先人の成功・失敗を批評しても、自分には何の役にもたたないわけです。
少し話がそれてしまいましたが、永井さん自身も周りから「そんなの無理」と言われたことに挑戦してやり遂げてきた人で、しかも、永井さんの良いところは「私はこうだった」だけでなく、いろいろな人から直接話しを聞いて紹介してくれているところですね。
「失敗を恐れず行動してみよう」ということが大切と、改めて本書を読んで思ったのでした。
余談ですが、本を何度か繰り返し読んだ後にこのブログを書いているのですが、書こうと思って見直すと表紙の「売れる仕組みをどう作るか」というタイトルが、どうもしっくりこない感じで、売れる仕組みを作ると言うよりもっと広いことを説いている本のような気がするなぁ・・・と思っているのでした。
毎回お手紙とサインをいれて送ってくださる、このマメさがそもそも私と違うところだなぁ、と・・・