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プログラミングでメシが食えるか!?

Windows10をインターネットに接続せずに使う場合は要注意?

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私の勤務先ではIT関連製品やゴルフ練習場向け製品を開発販売していますが、ソフトウェア製品はともかく、ハードウェアも一緒に販売するタイプの製品で気を使うのが、ハードの製造中止やOSのアップデートです。

ゴルフ練習場向け製品では、処理の一部にWindowsパソコンを使っているのですが、先日問題が発生しました。

ある練習場のリニューアル後にWindowsパソコンが「ハングアップ」「時刻が勝手に狂う」という問題が発生しました。自社開発したソフトウェアは同じバージョンが他の練習場での稼働実績十分ですので、「パソコンの不良」「OSやDBサーバプログラムのバージョン違い」を疑い、とりあえず、パソコンごと他の練習場で実績十分な構成に入れ替えるように指示しました。

従来はWindows7を使っていたのですが、既に販売は終了しており、今回は社内で動作検証を十分行った上でWindows10を使っていました。「時刻が勝手に狂う」というのがちょっと気になり、インターネットで調べてみると・・・

Windows 10 (TH2) をインターネットに接続せずに使用すると、突然時刻がずれる!?

なんと、Windows10は、インターネットに繋がらない環境で使うと、突然時刻がずれるという問題があるのだそうです!

社内で検証を行う際には、WindowsUpdateをしたりすることもあるため、インターネットにつながる検証環境で行います。とことが、練習場の現場では、基本的にインターネット接続は不要なことと、情報セキュリティの観点などからほとんどの場合はインターネットに繋がらない隔離環境で運用します。

コンピューターの処理において時刻はとても大事で、定期的な処理を実行するためにはもちろん使いますし、一定間隔で行う処理やタイムアウト処理など、様々な処理で時刻を参照しています。これが勝手にズレてしまうというのはかなり致命的です。

レジストリを変更するか、サービスを停止させれば防げると書いてありますが、そんなことよりとっとと修正パッチを出して欲しいところですが、次のリリースまで放置のようです。そもそもこの情報がかなり頑張って検索しないと見つからないということ自体が問題です。

ちなみに、運用中に発生した時刻のズレは2日前くらいに戻るというものでした。最初はハードウェア不良なども考えましたが、稼働中に突然変わることは考えにくいのと、2日前という中途半端な狂い方は想像しにくいので、OS自体の問題だろうと検索してみた感じです。

もともとコンピューターの時刻同期にはNTPがよく使われ、NTPでは時刻を補正する際には徐々に合わせる機能があるほか、大きな狂いの場合は手動で補正してからでないと合わせないなど、突然大きな時刻修正は行わない仕組みとなっていました。しかし、今回のWindows10で採用された新しい仕組みでは一気に変更してしまうようですし、変更の周期などは非公開だそうです。おまけに、インターネットに繋がっていないとおかしな時刻にしてしまうというのは、実にばかげた改悪でしょう。

OSなどのアップデートは、使う側としては望まない場合も多いものです。しかし、そもそもサポート対象外になるばかりか、購入することすらできなくなります。まあ、自社で製品を販売する際にもこの問題は悩ましいところなのですが、アップデートを強制するのであれば、改悪は避けなければならないのは当然です。なお、私のところの回線事業者向けDHCPサーバである「ProDHCP」は、提供は基本的にその時点での最新版のみですが、サポートはどのバージョンでも受け付けるという方針にしていますし、同一案件で使う場合は、ライセンスを追加いただければ同じ環境をコピーして同じバージョンで増設することも許可しています。現場では寝た子を起こすようなことは避けたいものなのです。

Windows10は、Windows7,8からの強引なアップデートにも批判が多くありましたが、個人的には、強引にアップデートしてこんな致命的な問題の罠にはまるというのは納得できないものです。

あまり他社・他人の批判は書かない方針ですが、ちょっと今回ばかりは頭にきたのと、情報がなかなか知られていないので取り上げてみました。

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