万年筆:自重式キャップレス・金張りキャップレスメッキ補修
土曜日の続きです。
まずは自重式キャップレス。
自重式キャップレスは構造が単純で、分解も実に簡単です。ペンユニットは単にボディに入れてあるだけです。インクカートリッジが現行のパイロットのカートロッジと同じタイプになったのはキャップレスでこの機種が最初です。なお、これは自重式の前期タイプでロック解除にクリップ全体が動きます。後期型はクリップは固定され、ロック解除部分のみが別部品になりました。おそらく、クリップとして使う際に動いてペン先が出てしまうような問題があったのでしょうね。
ニブは外さないと製造年月が分かりませんし、外すには少し形状を広げないとならないので、キャップレスとしては面倒です。1968年4月平塚工場製ですね。私がもうすぐ2歳になる頃。。
軸は、IF13とありますので、おそらく1968年6月13日製造でしょう。
ニブの形状が今までのキャップレスと少し違うためか、少し柔らかめに感じます。インクフローも少し良い感じがします。
さて、今度はメッキ補修でお預かりした金張りのキャップレスです。
クリップの金張りがほとんど剥げていて、錆びたりして研磨しても表面がピカピカになりません。これはあまり綺麗にメッキできない気がしますが・・・。本体の金張りはまだ綺麗なので、そこにメッキしてしまわないように、マスキングテープで保護します。
まずは銅メッキ。
ニッケルメッキ。うーん、ニッケルでこの状態だと金メッキは辛そうです。
金メッキ1回目。やっぱり表面が荒れているので綺麗にメッキが乗りませんね〜。
仕方ないので、金属磨き布で磨いて、脱脂して金メッキを繰り返します。2回目。
3回目。まあ、このくらいでしょう。
あまりピカピカではありませんが、色合いとしては本体の金張りと同じ感じになり、違和感はないですね。
ペン先が出てくるところが薄いプラスチック成形なので、欠けやすいのだそうです。これも残念ながら少し欠けています。黒なら直せそうですが、この色は難しいですねぇ・・・。
さて、分解状態です。これはノック式ですが、これの前のモデルに比べると簡略化された構造でしょうか。
ニブを見ると・・・おぉぉ!1966年1月製造じゃないですか!!生まれ年なので、欲しいですねぇ。
軸は「GD25」とあり、1966年4月25日製造でしょう。妻の誕生日に近いですねぇ!
こちらはお預かりしているものなので、インクを入れて試し書きはできないのでした。