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プログラミングでメシが食えるか!?

生まれ年製造のバイオリン

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今日は自分の誕生日ということで、誕生に絡んだ話題で・・・?

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先日中国製のバイオリンを入手したばかりですが、またバイオリンを入手してしまいました。

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見ての通り中古品で、オークションでの購入です。結構汚い感じですが、これでも2つ同じようなものを見つけたうちの綺麗な方です。まあ、実は汚い方でも問題ないくらいこの後いじることになるのですが・・・。

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スズキバイオリンの特1というモデルですが、大事なのは「1966」という数字です。私と同い年なのでした!ちなみに、当時のスズキバイオリンでは、手工グレードで特1〜特5まであり、特1はその中の一番下で、定価12,000円。当時の大卒初任給は25,000円くらいだったらしいので、初任給の半額くらいという感じですね。たまたまオークションで検索したところ、1966年製造の特1が2つ出ていて、綺麗そうな方を入手してみました。弓・ケース付きで25,000円くらいです。

生まれ年の楽器は、ギターでもずっと欲しかったのですが、ギターの場合、ちょうど1970年頃を境にハカランダという木が輸出規制になり、1966年のギターはアコースティックもエレキも高くて買えないのです。バイオリンはギターに比べて長く使える楽器ですので、50年前などまだまだ新しいもので、300年くらい経たないと良い音にならないとか言われていますものね。中途半端に古い国産バイオリンはとてもお手軽に入手できます。中国製の新品より安いですからねぇ。

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ちょっと残念なのが日焼けによる退色で、裏側はこんなに鮮やかな赤色が残っているのに、表側は黄色になってしまっています。おそらく質屋で展示されているバイオリンのような感じに、日の当たるところにぶら下げられていたのでしょう。

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表も日陰になる部分は赤色が残っています。色の違いはちょっと目立つので何とかしたいところです。。指板も塗装されていてはげかかっているので汚い感じですが、こういうところは簡単に手入れができるので問題ありません。

とりあえず、ついてきた弦のまま弾いてみると・・・良く響くいい音です!ということで、この生まれ年バイオリンをメインにすることにします。

クリーニングし、指板の削り出し、駒の手入れ、フィッティングパーツの交換、弦の交換をして、一応使える状態にしました。弦と駒の手入れで一段と音は素晴らしい音に。ちょっとナットと駒が低すぎるのですが、まあ、とりあえずこんなもので。

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愛用していた中国製のバイオリンと比べてみましょう。フィッティングパーツは生まれ年バイオリンと交換してしまいましたので、ちょうど入手時の状態に戻った感じです。やっぱり黄色より赤色のバイオリンの方が好きなのですよねぇ・・・。

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裏は生まれ年の方が赤いくらいです。

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中国製はアマティモデルで、生まれ年の方はおそらくストラディバリウスタイプなので、表裏のカーブの高さがかなり違いますね。魂柱の長さにして5mmちかく違う感じでした。

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わかりにくい感じですが、画像を重ねてみました。

どちらも同じドミナント弦にしたので、引き比べてみると、低音は中国製の方がコシがある感じですが、全体的に響きは生まれ年の方がよく、弾いていて気持ちが良い感じです。

ということで、中国製は息子に貸すことにし、息子から、高校時代に使っていたバイオリンを返してもらいました。中国製は作りがしっかりしていて、ペグの状態も良いので練習にはこちらの方がマシですので。

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さて、高校時代の愛器と並べてみました。このバイオリンは母校から近い交流のあった高校の管弦楽部の部室で、ヘッドが割れていて放置されていたものをもらってきたものです。これもスズキバイオリンですので、ラベルをよく見ると・・・おそらく「No.17」。1963年か1964年までしか使っていない型番ですので、これは生まれ年バイオリンよりもっと古いですねぇ!そうと知っていればもう少しオリジナルのまま取っておけば良かった気もしますが、高校時代の私には無理でしょう。当時の定価で3,900円だったようです。

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材料はさすがにNo.17より特1の方が上ですね。No.17は指板も白木に黒檀の突き板を貼ったものでしたし、当時は輸入材は高かったのでしょう。

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ところで、私がバイオリンの細工でこだわりがあるのが、上の「ここ」と書いた部分です。高校時代に先輩の高級スズキバイオリンの加工がこんな感じに窪みがあり、私の安物スズキバイオリンは真っ平ら。高いバイオリンは皆こうなっているのだろうと憧れたのでした。実際はむしろ高級品でも平らな方が多く、スズキバイオリンの高級機がこうなっているだけみたいな気がします。右のNo.17は塗装を剥がして加工した際にもちろん、窪んだ感じに彫刻刀で加工したのでした。高1の時に最初に買ったスズキバイオリンの一番安いものも大改造した際に窪ませました。特1はちゃんと窪んでいるので、30年以上経ってようやく念願の細工を手に入れた感じです!

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さて、音も細工も気に入ったのですが、やっぱり黄色いのが気に入らないのと、表と裏で色が違いすぎるのが納得できず、最初は少し塗装を削って上から赤い塗料を塗ろうかと思ったのですが、結構柔らかい塗料で、紙やすりで削るのは難しく、シンナーを使ったりしているうちにひどい状態になってきて・・・結局剥離剤を買ってきて、全部塗装を剥がすことにしてしまいました。

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剥離剤は高校時代に大量に使いましたが、今の剥離剤は良くなってますね〜。昔のは塩素成分のためか、指につくとピリピリしたのですが、今のは臭いだけです。水性タイプもありましたが、強力そうな方にしました。安い刷毛も買ってきたら、プラでナイロン毛だったので、途中で全部溶けて抜けてしまいました。最初のバイオリンに剥離剤を使ったときに、サドルとスクロールがプラスチック製で溶け出してがっかりしたもので、剥離剤はプラスチックを溶かすということは良くわかっていたのですが、ついつい一番安いからと、ナイロン製の刷毛を買ったのが失敗でした。

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剥離剤を使ってもそんなに簡単に塗装を落とせるわけではなく、結構時間も手間もかかります。エアコンの効いていない部屋で汗をかきながら頑張りました。

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飴色で綺麗なように見えますが、この状態は剥離剤に溶けた塗料がまだ付着している状態で、水洗いしてぬれタオルで拭き取らなければなりません。剥離剤が残っていると次に塗装する際に上手く塗れないのです。

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ヘッドも塗装を落としました。結構加工は雑ですねぇ・・・。

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水洗いして拭き取るとこんな感じで白木バイオリン状態になります。水に漬けたわけではないのですが、黄が膨張したのか、魂柱が倒れました。まあ、どうせ魂柱は交換しようと思っていたので良いのですが。

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まだ注文した塗料が届かないので、とりあえずこのまま乾燥させておきます。

魂柱はかなり細いですね。スズキバイオリンが、低音が弱めで、高音が綺麗に伸びるのは細い魂柱がポイントかも知れません。

いつも通りのことですが、バイオリンも弾いているより改造している時間の方が長い感じです。

さて、生まれ年バイオリンは綺麗に復活できるのやら・・・?

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