万年筆のゴムサック交換
仕事が少し落ち着いたので、趣味ネタでも書いて気分転換です。
万年筆のインク補充方式はかなりいろいろなものがあり、
・使い捨て
・インクカートリッジ
・吸入式
・注入式
と、大ざっぱに分けて(正しい分類かどうかは知りませんが)、さらに吸入式の中で、
・ピストン式
・プランジャー式
・ゴムサック式
さらに、ゴムサック式で、プッシュボタン式、レバー式など様々なのですが、個人的にはピストン式やプランジャー式で、ペン軸に透明部分があり、中のインクの様子が見えるのが好みです。
基本的に自分で万年筆を選択する際には、中のインクが見えるものを選びたい気持ちが強いのですが、他のポイントとして、軸が綺麗、生まれ年製造、機構が面白い、などの他、何本かセットで入手して、選んだというよりはついてきた、など、結局いろいろなものが増えてきます。
手元に現在3本インクサック式がありますが、「他のものについてきた」が2本、ミニペントレーディングであまりにもお買い得だったので・・・が1本です。
さて、おまけだろうがなんだろうが、せっかく手元に来てくれた万年筆、ちゃんと使える状態にしておくのが礼儀というものです(?)。インクサックはサイズがまちまちなので、まとめ買いしておくのも難しく、チマチマと2本ずつ買っていますが、本当は近所の文房具屋さんとかで売っていると助かるのですけどねぇ。国内外のオークションでの購入です。送料が馬鹿になりません。
今回はシェラックと呼ばれる接着剤も購入しました。ゴムサックは数年で交換しなければならないので、あまり強力な接着剤は使いたくなく、昔からシェラックという虫から作るものが使われていたようです。クラシックギターの塗料や、下塗りなどで使われるセラックニスと同じ成分でしょうか。アルコールが溶剤ですね。熱を加えると接着力が低下して剥がせるというのがポイントです。
いずれにしても、インクが入った状態でゴムサックが外れたら大変なことになりますので、ちゃんと接着しておくのが良いでしょう。
3本ともシェラックで接着しておきました。ゴムサックといっても最近はシリコン製もあり、シリコンの方が劣化しにくいと言われていますが、ちょっと値段が高くなるのと、弾性がやや弱いので、レバーの動きが合わない場合もあり、ゴム製と使い分ける感じです。
ゴムサックは古くなるとベトベトになり、その後カリカリに固まります。まともな状態のうちに交換するのが一番楽なのですが、ビンテージものを入手すると大抵かなり苦労します。
3本とも直ったので、インクを吸入しておきます。2本はレバー式、1本は軸を外して金属レバーでプッシュするタイプです。固まりにくいと言われているセーラーのジェントルインクにしておきます。
3本とも書き味が全く異なり、個性的です。
先日の萬年筆研究会で入手した首外しペンチはとても便利です!なお、古いペンの首を外すときは必ずドライヤーなどで温めてからにしましょう。冷えていると割れやすく、セルロイドなどは縮んでいるのでなおさら硬くて外れにくいので、温めるのは基本です。お湯だと曇ってしまう材質もありますので、ドライヤーやヒートガンがお勧めです。