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プログラミングでメシが食えるか!?

古い国産万年筆

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5月5日に一族が集まり、父の傘寿祝いを行った際に、私が万年筆いじりを楽しんでいることを知った父がこんなものを持ってきてくれました。

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父が若い頃というか、私が子供の頃に使っていた万年筆です。3本とも当時流行っていたらしい、ショートタイプです。インクも一応1本ずつありました。

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一番上の1本は綺麗ですが、他の2本はかなりひどい状態ですねぇ。

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左だけ14Kで、他は18K。18金も当時の流行だったようです。

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とりあえず、あまりにも汚れているので、全部超音波洗浄機へ・・・

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まずはPILOT Elete S(?)です。ペン芯を固定している部品までは、CROSSの壊れたボールペンの軸を加工して工具を自作して外したのですが、どうしてもペン芯が固着してしまっていて外れませんでした。インクが流れる棒だけは抜けたので、機能的には整備できたのですが、ちょっと不満。

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ニブの刻印「H869」からおそらく平塚で69年8月製造でしょう。私が3歳になる頃です。この万年筆で不満なのは、ニブにインクを送る部分がスポンジみたいなものだという点です。インクをかえるときに洗うのが面倒ですね。

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軸に名前が彫ってあります。下手くそですが、こういうことをするのは父ではなく母でしょう。なんとなく、私が高校時代に英語のレポートを書きまくっていたときに使っていたのはこの万年筆ではないかと思うのですが・・・。英語の定期テストのあと、「(平均点-自分の点)/10」回、教科書のテスト範囲を書くことで赤点を逃れていたのですが、私は毎回2〜3回書いていました。レポート用紙で2〜3冊です。先生から「小俣の量は万年筆でないと指が持たない」と言われ、これを借りていた気がします。でも父に返した記憶がないので、別のものですかねぇ・・・。私は昔からなんでも分解して壊していたので、無事なまま父に返すというのは想像しにくい感じです。色・形はこういう感じだったと思いますが。

なお、PILOTではEliteの復刻版を出していて、「エリート95S」という製品が今でも販売されているようです。オリジナルは昭和43年発売と書かれているので、まさに発売後すぐに買ったのかも知れません。復刻版はスポンジは使わず、普通のペン芯みたいです。ちょっと並べてみたい気分・・・

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綺麗に磨いて復活!

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インクも一緒にもらったものを使いました。ちょっと水分が抜けて濃くなっているような気もしますが・・・。書き味はなかなか滑らかで良い感じです!

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続いてPLATINUM Pocket(?)の18K。これはもともと状態が良かったのですが、一応分解。これも赤い部品がペン芯を固定しているのが分からずに叩き出そうとして壊すところでした。

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こちらはスポンジのようなものは使っていません。「細軟」と漢字で刻印されています。3本とも透明プラスチックが多用されているのですが、パキッと折れそうで気を使いますね。

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綺麗に磨いて完了!

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同じ仕組みなので、もう1本のPLATINUM Pocketの14Kは簡単に分解できました。

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こちらもペン芯は透明プラスチック。

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これが一番汚れていましたが、ピカピカにできました。

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18Kには一緒にもらったブルーブラックのカートリッジを、14Kは空のカートリッジを洗って、カランダッシュの黒を注射器で入れました。どちらもPILOTに比べるとカリカリした書き味で、14Kと18Kもほとんど変わらない感じなので、単に18Kで高級グレードという位置づけだったのでしょうね。

同じような万年筆を3本というのが私の感覚では不思議ですが、父は学校の先生だったので、万年筆も実際によく使っていたのでしょう。あまり使っているところをみた記憶はないのですけど。PILOTのスポンジ以外はごく普通の構造なので、メンテナンスすればちゃんと使える点が素晴らしいです。国産万年筆も、昔からしっかりした品質だったのですねぇ。

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