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プログラミングでメシが食えるか!?

子供とインターネット:隔離以外に打つ手はないと思うようになってきた

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実際に子供を育てている親にとって「子供にパソコンやスマホを使わせるべきか?」というのはとても難しい問題です。パソコンやスマホと言っても、実際は「インターネット」です。

我が家では高校生の娘と中学生の息子がいますので、女の子と男の子それぞれの問題を実際に見てきました。もちろん、子供はそれぞれ個性がありますから、一般化はできないものですが、何となく傾向はこんな感じか?というイメージは私なりに感じてきました。

女の子の場合は「SNS」がキーだと感じています。男の子と違ってアダルトサイトを見たりすることはあまりない感じがします。「Lineなどを使ってひたすら友達とつながり続ける」「SNSを通じて面識のない人とのやりとり」などが、親として気になるあたりでしょう。女の子の場合は「仲間意識」というのかよくわかりませんが、「反応すること」がとても重要なようです。誰かがつぶやいたことを無視したり、返事をしなかったりすることを非常に嫌うようです。しかも、反応の速度も重要らしく、とにかくひたすらスマホをいじっている感じになります。また、SNSでつぶやくの内容として「愚痴」が多いのも気になります。「親に叱られた」「テスト勉強が進んでいない」というような内容をつぶやき、お互いに「傷をなめ合う」感じがあると思います。

男の子の場合はアダルトサイトや動画サイトでしょう。架空請求に引っかかるのは、男の子のアダルトサイトへの興味からというのがほとんどだと思います。動画サイトでアニメを見たりするのも多いようで、一種の中毒症状だと思います。寝る時間を削って親の目を盗んででも見続けるくらいです。

女の子も男の子も、内容や背景は違うとは言え、「中毒」です。私は「子供から何でも取り上げ、禁止にすれば良いってものではない」「禁止にしても隠れてやるだけ」と考えてきましたが、インターネットに関してはそういうレベルではなく、間違いなく「中毒症状」だと思うようになってきました。子供の自制心に期待することなどまず無理でしょう。

インターネットにはよい面もたくさんあるのです。調べ物は辞書などよりもはるかに簡単で、しかも関連したことまでどんどん調べていくこともできますし、日本だけでなく世界中の情報に触れることができます。ところが、前述した「中毒性の高いもの」のためにそのメリットを犠牲にしなくてはならないレベルではないかと、実際に子供を育てていて感じています。

コンテンツフィルタやアクセス時間制限、年齢制限の仕組みなど、インターネットや機器側でも多少の手は打っていますが、中毒症状になった子供達を馬鹿にしてはいけません。子供達は一人で試行錯誤しているのではないのです。学校に行けばたくさんの友達同士で情報交換をしていて、どのサイトが面白いとか、どういうキーワードで辿れるとかはもちろん、閲覧制限をごまかすにはこうすればよいとか、様々なノウハウを持っています。さらに、中毒ですから、親の機材を盗んででもインターネットを使うくらいなのです。

私はインターネットを構成するためのソフトウェアを開発したり、製品を販売したりしていますが、我が子の様子を見る度に「子供に害になるような仕事をしているのか・・・」と心が痛くなります。

もちろん、私も子供の頃に「ビニ本」を友達とドキドキしながら買ったりしましたので、子供がアダルトサイトを見ること自体が悪いと決めつけるわけではありません。マンガも読みました。しかし、インターネットはあまりにも手軽すぎるのです。毎日いくらでも自分の懐を痛めずに見続けられるので「中毒」になってしまうのです。

SNSでつながり続けたい女の子の気持ちは、男の私にはあまり理解できません。。

結局、親ができることは「インターネットから隔離」することしかない気がします。本当に必要な時は親の目の前でアクセスさせることにし、決して一人では使わせないくらいでないと駄目かもしれません。さすがにSNSを禁止にすると本当に友達がいなくなるかもしれませんが、アダルトサイトや動画サイトを一人で見続けるのは「時間の無駄」だけでなく「視力低下」「睡眠不足」などから心身ともに壊れてしまうかも知れません。

少なくとも、子供自身で「打ち込むこと」「目標」などがある程度明確になるまでは、インターネットは悪の側面が強すぎると思います。インターネットにのめり込んで立派な大人になれるとは、残念ながら私には想像できません。

インターネットを親が隔離しなかったのにもかかわらず、子供をしかり続けることも「子供を罠にはめているようなもの」だと考えています。中毒性のあるものを与えて置いて「なぜ自制できないのだ!」と叱っているようなものです。私も子供の頃に今のようなインターネットが自由に使えていたら、おそらく勉強も趣味も失っていたことでしょう。こんなつまらないことで家の中がギクシャクし、全員が不愉快な思いをするくらいなら最初から取り上げた方がマシです。私はテレビも「百害あって一利なし」にかなり近いものだと思っているタイプですが、インターネットはそれよりひどいかもしれません。どちらも本当は良い面もたくさんあるのですが、程度の低いコンテンツが全てをマイナスに引き込んでしまっています。「悪貨は良貨を駆逐する」状態です。

とても悲しい状況だと思いますが、今のインターネットは子供達からあまりにもたくさんのものを奪っています。むしろ・・・子供達だけではないのかもしれません。。

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