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プログラミングでメシが食えるか!?

回線遅延シミュレータEthdelayProの機能追加

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今日は、回線遅延シミュレータEthdelayProの機能追加の検討を行いました。Ethdelayシリーズは2009年から発売していると思うのですが、技術者向けのニッチな製品です。実は最初に開発したきっかけは、当社で受託開発というか技術支援をしていた案件で、VoIP(Voice over Internet Protocol)のエンジンを開発した際に、回線状態が悪い場合に問題がないかを確認する必要があり、必要に迫られて自分でプログラムを書いたのがきっかけでした。

せっかく作ったので、技術アピールにもなるので、製品として自社ホームページに載せておこう、という感じで製品名も考えずに「回線遅延シミュレータ」として載せておいたのですが、忘れた頃に本当に問い合わせが来てしまい、慌ててソースを探したところ・・・見つからず、「まあ、このくらいすぐに作れるから」と作り直したのが製品のベースになっています。その時にはあくまでも「ソフトウェア製品」でしたので、お客さんに、「ネットワークインターフェースが2つ以上あるLinuxマシンを用意してください」とお話ししたところ「うちはネットワークが専門で、開発などはしていないので、Linuxマシンはないし、ネットワークインターフェースが2個以上あるマシンを、回線シミュレータの為だけに用意するのも難しい」と、結局使ってもらうところまでは至りませんでした。

とはいえ、ニーズはあるようだ、ということが分かり、ちょうど不正接続対策のIntraGuardianシリーズ向けに小さなLinux機を扱うようになったこともあり、2つネットワークインターフェースを持つコンパクトアプライアンスとして、GUIも開発して「Ethdelay」として発売を開始しました。

ハードの性能が低いため、Ethdelayでは遅延の安定性も、スループットも低かったのですが、悪い回線のシミュレーションなので問題ないだろう、と販売していて、実は初年度だけでも結構な数が売れました。例によって値付けが安価すぎたのでビジネス的には儲かっているわけではなく、慈善事業みたいなものでした。

販売しているうちに、「もっと性能が高いものを」との声が多かったので、高性能なハードを使い、「EthdelayPro」も発売開始しました(なお、EthdelayProは初期のハードがディスコンになり、途中でハードを変えています)。評判は良かったのですが、「性能はそこまでいかなくても、もう少し小さいものを」という要求もあったので、真ん中に「EthdelayEx」も発売しました。あまりにもニッチな製品で3機種も出し、いずれも利幅は少なく、ビジネス的にはどうなのか?という疑問はあるものの、ネットワーク関連でビジネスをしている会社として、社会貢献のひとつという気持ちで、今でも順調に販売を続けています。

ちなみに、3機種の売れ行きは、若干安価なEthdelayが多いものの、ほぼ同じような割合で、ざっと500台くらいは販売してきました。IntraGuardianシリーズは7000台を超えているので、かなり少ないという気がしますが、IntraGuardianのように、セグメントごとに1つ必要なものではありませんし、常時稼働させるものでもないので、基本的に1社あるいは1部署に1台あれば十分という製品ですので(1部署で大量に使っていただいているところもありますが)。

さて、前置きが長くなりましたが、Ethdelayシリーズの機能は、

・回線遅延・パケットロス
・帯域制御
・測定機能(Proのみ)

です。

コンスタントに売れ続ける割に、あまりお問い合わせなどもない製品で、最近は機能追加もしていなかったのですが、久しぶりにユーザーさんから機能追加要望をいただきました。

「高度な通信機能が簡単に実現でき、非常に重宝している」

「優れた製品を世に出されたことを深く敬服するとともに、ユーザーの一社として改めて感謝する」

と、開発者としては涙が出そうなほどうれしいコメントも添えて、丁寧な要望書をいただきました。

さっそく、今日は時間が取れたので、エンジン部分に機能追加をしてみて、動作検証を行ってみました。機能追加は1時間もかからずにできたのですが、動作検証は環境の構築やどう検証するかなどで結構時間がかかりましたが、問題なく実現できた感じです。どんな機能かは正式リリースの時まで内緒で。。

Edp

回線遅延シミュレータは、私のようにネットワークプログラミングができる人であれば、プログラムは簡単に作れるものです。なぜこのような製品が売れているかというと、

・ネットワークインターフェースを複数持つマシンを準備するのが面倒・汎用マシンだと使いたいときにすぐに使える状態にはしておきにくい
・それなりにコンパクトなマシンでネットワークインターフェースが複数あるものを入手するのは、量販店などにはないので、それなりに手間がかかる
・ソフト開発が専門でないので作ることは専門外のユーザーさんが多い(回線事業者・ハード開発の方など)

という感じで、アプライアンスということがポイントのようです。おまけに、技術者向けのニッチな製品にもかかわらず、あり得ない安さということもあり、「自作するより買う方が手軽」ということもあるようです。まあ、数年で数百台くらいしか売れないものをこの値段で販売するのは、個人の趣味でもない限りまずないでしょう。

ということで、ビジネス的にはほとんど儲けはないのですが、人気の製品ですし、当社の製品としては非常に珍しく「自分たちのために作ったものがベースの製品」であり、当社の得意分野を分かりやすくアピールしてくれる製品でもあるので、今後も継続して販売・サポートしていくつもりです。

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