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プログラミングでメシが食えるか!?

技術と会話両方がしっかりしている人はなかなかいない

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ある案件で、ソフト開発を担当したメンバー二人がユーザさんのところでサポートをしているのですが、お客さんからリーダーにお叱りの電話がかかってきました。

「Aさんに言うと、『そればBが担当している方が悪い』と言われ、Bさんに言うと『それはAの問題だ』と言われた。おたくはいったいどうなっているんだ!?」

A君もB君も、実際はとてもこまめで迅速な対応をしているのです。ところがお客さんは怒ってしまっているのです。

同じ仕事をしていても、コミュニケーションの取り方でお客さんの反応は全く変わるものです。今回の場合は、お客さんからしてみれば「同じ会社なのだから、たらい回しにせず、社内でちゃんと相談して対応しろ!」という、当たり前の要求なのです。ところが、現場でいっぱいいっぱいになってくると、ついつい「言い訳」をしたくなってしまうものです。その気持ちはわかるのですが、内輪で問題のなすり合いをしていても、お客さんが喜ぶものではありません。

技術者は自分の作ったものに対してプライドを持っている人が多いもので、それ自体は悪いことではないのですが、自分が作ったところの問題ではないということを主張したくなりやすいものです。しかし、お客さんの立場では、「誰が作った部分かはどうでもよく、とにかく問題を解決して欲しいだけ」なのです。

長年開発の仕事をしていると、さまざまなトラブルを見てきましたが、ほとんどは「コミュニケーションの問題」だったと感じています。お客さんは技術的な問題で頭にくることは少なく、ほとんどの場合は「対応の仕方」で頭にくるものだと思います。

大きなプロジェクトでは、お客さん対応は営業・サポートが担当し、技術者は裏方に、というやり方もあります。営業・サポートの人はコミュニケーション能力を鍛えられていることが多いので、対応のミスが減らせます。しかし、今度は「表面的にごまかすようなことを言うだけで、なかなか問題が解決しない」ということになりやすいものです。

理想としては、技術も会話もしっかりできる人になることが望ましいのですが、なかなかそういう人は少ないものですね。逆に考えれば、「技術と会話がしっかりできる人」というだけでかなりのアドバンテージを持っていることになるのですが、そういう人になることを目指して努力する人は残念ながらとても少ない気がしています・・・。

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