「切れる」のは損!
仕事をしていても、あるいは日常生活においても、自分の思うようにいかないことはしょっちゅうです。むしろ思い通りにいく方が珍しいくらいでしょう。そんなときに「切れる」人が多いものです。
私が人生で一番損をする行動だと思っているのがこの「切れる」行動です。切れて良いことってほとんど思い浮かびません。悪いことならたくさん浮かびます。
・周囲が近寄らなくなる
・本当のことを言ってもらえなくなる
・ぶちこわしてしまう
・場の空気を悪くする
・相手を傷つける
まだまだある気がしますが、要するに、「自分がやってきたことをぶちこわす」「周囲に悪いイメージを印象づける」ということでしょう。ほんの一瞬の我慢ができるかどうかで失うものはあまりにも大きいと思います。
「切れたら相手が妥協してくれた」とかいうこともあるかもしれませんが、それは良いことではなく、単にごり押ししただけのことで、それ以上の大きなマイナスがあるはずです。切れて良いことなんてないのです。
私が社会人を20年以上やってきて、他の多くの人より良かったと思えることは「ほとんど切れなかった」点だと思います。技術者には頑固で切れやすい人がたくさんいます。そんな中で基本的には切れなかったので、人間関係が維持発展でき、仕事もぶちこわさなかったのだと思っています。
もっとも、その背景には、私が子供の頃、弱虫でいじめられっ子だったということが大きな影響となっていると自分では思っていて、努力して切れなかったというよりは、弱虫だから切れられなかった、という感じが本当かもしれません。まあ、いずれにしても切れずにやってきたから今の自分があると思っています。
私なりの切れないコツは、「頭に浮かんだことをすぐに口にしないこと」とくにイライラしているときには、ろくなことが浮かびませんから、それをそのまま口にするとひどい発言になるものです。「ここで言ってしまったらどうなるか」を考えてから言うようにします。積み重ねるのはとても大変ですが、ぶちこわすのは一瞬です。それと、相手と同じレベルにならないようにすることです。一歩上か下に立って客観的に状況を見てみると、意外と頭に来ていたことが大したことではないと思えるものです。
蒸し暑いと、普段以上に切れやすくなるものです。些細なことで全てを失うようなことがないように、冷静にいきたいものです。