変革には、考えるより行動してみる姿勢が向いている
そろそろ夏のボーナスシーズンです。私は社長なのでボーナスはもちろんないのですが、ボーナスを支給するにあたって業績の振り返りなどをする良い時期でもあります。
当社では3つの事業を行っていますが、自分が一番関わってきたIT関連事業では、従来の下請け開発中心の仕事から、製品を軸とした提案型・得意分野勝負型への転換が結果としても表れてきて、ほぼ業績の半分を製品関連の仕事が占めるようになってきました。
数年前から、下請け仕事はこの先厳しいだろう、と考え、製品事業を立ち上げてきて、まあ、実にいろいろなことがありましたが、現時点で考えれば、この動きをしていなかったら、今どんな状態だったのかと考えると非常に恐ろしい気分です。
とはいえ、製品事業を立ち上げた時点で勝算がどのくらいあったのか?と言われると、正直に言うと、「やれば何とかなるだろう」という程度だったのです。もちろん、メンバーの前ではそんなことは言わなかったと思いますが。。
昨日、永井さんの著書の話題を書きましたが、「現状維持は破滅」というキーワードがありました。とはいえ、現状にしがみついていたい人は非常に多いものです。そんな中で変革を成功した人が注目され、賞賛されるわけですが、私の勝手な考えでは、変革を成功した人でも勝算があってはじめたとは限らないのではないか?と思っています。やれば絶対に成功するとわかっていれば誰もがやるでしょうし、むしろ、誰もが成功するとわかっていることなど変革でもなんでもないことかもしれません。いけるかどうかわからない状態でも一歩を踏み出し、いろいろな障害にぶち当たりながらも乗り越えた人が、結果的に「変革者」と賞賛されているだけの話だと思っています。
私の考えはこんな感じで、基本的に「理論の後付け」です。終わってみれば、あのときにこういう考えを持ち、こういう行動を取ったからこうなれた、というのは簡単なのですが、はじめた時点で成功を予想できることなどほとんどないからです。それどころか、成功を予想したものほど、実際は大した結果に結びつかなかった気がします。周りから「それは無理だよ」「そんなことをやるのはバカだよ」と言われたものほど大きな成果につながっているものです。
変革は企業などの規模の話だけではありません。個人でも同じだと思います。自分自身で現状維持を考えていれば破滅(?)に向かうでしょうし、絶対に成功すると最初からわかっている道などないものです。そして、その状態は誰もが平等におかれているものです。しかも、多くの人は現状にしがみつきたいのです。それがわかっているのになぜ自分を変えようとしないのでしょう?おそらくほとんどの人はやらずにすむための「言い訳」を先に考えているのではないでしょうか。私はいつも、やってみて、後で理屈を考えたいと思っています。そうやって行動して後悔したことなど1つも思い浮かびません。