期の区切りで考えること
今日で2013年度の平日は終了です。多くの会社で業績の締めを行うと思いますが、業績はいかがでしたでしょうか。当社は決算は11月末なのですが、各事業の成績などは年度区切りで見るようにしています。理由はもちろん、多くのお客さんと同じにしておかないと成績の切れが悪いからです。社内の成績を見るのにわざわざ仕掛かりとかを考えても時間の無駄ですので、区切りを世の中の多くの会社と合わせているわけです。
当社では、2013年度下期も全ての事業で大忙しでした。受託・下請型から製品・提案型への転換がはっきりと数字にも表れてきました。もちろん受託・下請けも疎かにしているのではなく、より得意分野を活かしたものに集中することができるようになってきた感じで、これも製品・提案型との相乗効果と言えるでしょう。
社外から見ればこのように、仕事はたくさんあり、業績も好調で、さぞかし会社はよい状態、と感じるかもしれませんが、実は社内はお世辞にもよい状態ではないと思っています。あまりにも仕事が多すぎて、メンバーが疲れ切っているため、計画的な状態と言うより、ひたすら目の前の課題をこなしているような状態が多く、内部の課題は多いと考えています。
もちろん、課題は対策していかねばなりませんので、様々な取り組みを進めています。その中で一番頭を悩ませるのが、「選択の問題」でしょう。
会社では様々な事業・プロジェクト・案件にチャレンジしてみるものですが、そのどれもが予定通りに成功して発展するとは限りません。やってみなければわからないので、チャレンジは絶対に必要なのですが、ある程度様子が見えた時点で、この先どうするかを考えなければなりません。これが選択の問題です。
単純に、ニーズがないものなら、止めるのは簡単です。問題は「ニーズはあるけれども、事業として成り立つのか?」という場合です。たとえば、製品の価格設定を低くしすぎて、たくさん売れるのだけれど、手間に見合う儲けが得られない、というような場合です。値下げするのは簡単ですが、値上げは非常に難しいものです。需要もあるので止めるのも難しいのです。会社はボランティアではないので、儲からない事業は切り捨てるのは当然なのですが、そうは言っても、販売する際には是非使って、と言っておいて、とっとと止めるのは社会的にどうかとも思います。
こういう場合に有効な進め方が、その製品を扱うこと自体に価値を見いだす会社と協業する、という選択肢です。当社のような技術系の会社は製品を販売したりサポートしたりすること自体が負荷になります。開発は得意でも、販売やサポートはそうでもないからです。もちろん、販売やサポートも強化するという選択肢もありますが、私は中小企業ならではの戦い方として、まずは得意分野に集中、と考えています。一方、販売やサポートが得意な会社にとっては、扱う製品が増えることで販売やサポートの空きをなくすことができますし、様々な製品を提案できるようになることでお客さんの幅が広がるというメリットがあるのです。そのような会社が自社で製品を開発すれば良いとも言えますが、開発と販売やサポートはかなり別の仕事です。このような場合に協業すればお互いがメリットを得られるようになるわけです。さらにお客さんとしても安心して使い続けることができます。
他にも選択の問題はたくさんあります。受託案件でも、なんでも受けるべきなのか、おいしい仕事を選択するべきなのか、あるいは、それほど儲からなくても長いお付き合いのお客さんを維持するべきなのか、など、常に仕事は選択を迫ってきます。
それらの選択の場面で、私と言うよりメンバー達が一番優先して考えているのが、「スタートアップ時点から育ててくれた会社さんは絶対に裏切らない」ということです。製品などでは、初期の実績がない頃にはなかなか見向きもされないものです。その頃に支援してくれた会社さんの存在はとてもありがたいものなのです。実績を積み、より大きな展開をしてくれる会社さんももちろん重要ですが、最初の苦しいときに一緒に取り組んでくれた会社さんを裏切るようなことは決してできない、というわけです。
まあ、そんな考えをしているようでは事業を大きくできない、と思う方もいると思いますが、私は仲間を裏切ってまで事業を大きくするつもりはありませんし、そんなことをしたら、いつかしっぺ返しを食らうものだと思っています。私から言わなくても、メンバー達がそのように紳士的に考えて行動してくれているのはとても頼もしい限りです。
やや話が脱線しましたが、期の区切り毎に事業を振り返り、次に向けた選択をしていくポイントですね。来期もたくさんのお客さん、パートナーさんと良い仕事ができるよう、しっかり考えていきたいと思うのでした。