製品開発販売には「思い入れのある人の存在」がとても大切
製品を開発しようと考えると、
・企画
・承認
・開発
・試験
・販売
という感じに段階がありますが、各段階でストップしてしまうことはよくありますが、上の段階ほど中断となることが多い気がします。「こんなものがあれば役立つのではないか?」と思うことは誰にでもできるのですが、それを具体化してコンセプトとしてまとめ上げるまでには結構な苦労が必要です。まとめても社内の承認が得られないこともあります。承認を得てゴーサインが出たとなると、なかなか「やっぱりやめた」とは言えない状態になってきます。しかし苦労はまだまだこれからです。大抵は開発自体より試験の方が大変ですから。そして売れる状態になった後にはさらに大変な、販売の苦労が待っています。
めでたく販売となった後にも、
・サポート
・不具合対応
・改良
など、多くの対応が必要です。そして、売れば売るほど製品は一人前に仕上がっていくものです。使われるケースが増えるほど、製品として枯れてくることもありますし、市場での要望に対応して機能が充実していくこともよくあります。
さて、製品開発はこのように作っておしまいではなく、多くの苦労があるため、途中で中断となることも多いですし、あるいは、不具合がいつまでも修正できずに市場から見放されることもあります。
ところで、製品がきちんと販売され、改修できる状態を維持していけるところまで進められるかどうかを左右するのは何なのでしょう?
私は、
・「製品への思い入れ」が強い人がきちんとリーダーシップを発揮していること
・「製品に人生をかけているくらいの人」がいること
このあたりがポイントだと考えています。
機能的に誰かに作ってもらうことは簡単なのですが、全体を把握し、舵取りしながら良い方向に進めていくのは簡単ではないのです。苦労を乗り越えていくには、やらされ仕事では無理なのです。
当社でも、きちんと市場に出し続けている製品には、それぞれ思い入れのある人が関わっているものです。なんだか良くわからないけど製品化してしまったようなものは、大抵短命に終わったり、売上が伸びなかったりするのです。
従って、事業事業の仕分けをする際に一番簡単で確実なのは、「きちんと思い入れのある人がいるかどうか」で判断することです。そのような人がいれば、困難を乗り越えて事業として育っていくことでしょう。