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プログラミングでメシが食えるか!?

モノ作りができるかどうかは、腕や知識があるかどうかではない

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永井さんの「100円のコーラを1000円で売る方法②」では、「弱者は差別化を!」と書いてあります。「得意分野で勝負」「固有技術で勝負」ということを、2007年に著書「プログラミングでメシが食えるか!?」で書いた頃は、「理想ばかり言うな!」という批判もありましたが、誰でもできることを指示通りにやるやり方では生き残れないということは、今や当たり前という感じになりました。

そんな中、昨日は「中小企業と標準化への取り組み」というようなテーマで少し議論をする機会があり、「中小企業は差別化を考えているのに、標準化に取り組むのか?」という意見でいろいろと話しをしました。まあ、その内容は結論があるわけではないので置いておき、参考までにと、私・当社のやり方を紹介したところ、「それは興味深い!」ということになり、2時間もお話しが盛り上がったのでした。

そのときに話題になったのが、「製品としてまとめることができるかどうか」という点です。

当たり前ですが、プログラムは、頭で考えているだけではいつまでたってもできあがりません。とりあえず、作って動かしてみる、ということを繰り返さないと形になりません。ここで、頭が良すぎる人たちは、考えることばかりしてしまい、考えがまとまるまで作り出さない、という点で、なかなか形にならないのです。

また、プログラムをさっと作る能力も、不思議と個人差が大きいものです。仕様通りに作れと言われるとできる人が、なぜか、「こんなものを作ってみて」とアバウトに依頼するとできないのです。

さらに、形になっているのにいつまでたっても第三者に見てもらわない、という人も多いのです。「自分が納得できるまで仕上げてから」とか「ドキュメントもきちんと揃えてから」などと言いますが、自分が納得できても、ユーザが納得するとは限りません。完璧だ、と思ってから第三者に渡しても、きっと「こんなものが欲しかったのではない」「こういう機能がないと使いにくい」などと言われます。せっかく揃えたドキュメントもまた改修しなければならなくなり、時間の無駄です。まあ、そもそもそういう考え人からは、「これで完成」と出てくること自体がなかなか希なのですが。。とっとと第三者に使ってもらえば、やる気も維持できますし、デバッグも一緒にやってもらえるようなものですし、早ければ早いほど品質要求も低いのです。たっぷり待たされて出てきたものがバグだらけ、というのは目も当てられません。

実は、「100円のコーラを1000円で売る方法②」にも同じようなことが書かれています。ビジネスでも、「まずすぐにやってみる」ということが大切ということです。たくさん考えたり情報を集めたりすることより、まずはやってみて、結果を見てまた次を考えて、ということを繰り返すべき、とあります。

結局、プログラミングでもビジネスでも、腕や知識があれば良いというものではなく、実現する力や行動力が重要だというわけです。

昨日は、こんな話しを、私が手がけた製品毎の実例とともにお話ししたところ、「とても興味深い!」と盛り上がったのでした。

ビジネスも製品も、最初から完璧なものなどありませんし、やったものが全部成果につながるとも限りません。失敗の方が多いくらいでしょう。しかし、やってみた人は失敗から学び、次を考えることができますが、やらない人に進歩はありません。さらに、やったときにすぐに成果が出なくても、だいぶ経ってから、その時まいた種から芽が出るということも結構多いのです。

今日、外出で移動中に電車の中で、隣の席の若者が、自己啓発本を一生懸命読んでいました。横から覗いていたら、「まずはやってみろ」という感じのことが書かれていました。こういう本を読んでいる人がたくさんいるということは、「やってみることができる人が少ない」ということです。どんどんやってみるだけで、周りの人たちに対して差別化ができるのです。とても簡単なことで差別化ができるものだと思いませんか?

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