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プログラミングでメシが食えるか!?

システムの構築は人間味があふれる仕事だ!?

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今日は(も?)ある案件のProDHCPサーバ構築で、データセンターに出かけてきました。ProDHCPのサーバ構築など、もう思い出せないくらい何度もやっているのですが、何度やっても気を使うものです。。

アプライアンスなら、ハードもOSも固定でき、一度念入りに構築した後は、設定を少々調整するくらいで使える状態になります。しかし、ソフトウェア製品だと、ハードもOSも、変わらない方が珍しいくらいで、なかなかインストールを全自動にはできませんし、インターネット規模のサービス用のサーバになると、単純にインストールしただけでは性能が出ないこともあります。

ProDHCPも、ソフトウェアをインストールすること自体は簡単です。単に所定のディレクトリに一式を展開するだけです。大変なのはそれからです。

・OSのネットワーク設定と合わせて調整
・OSのパケットフィルタの調整
・syslog関連の調整
・DHCP設定ファイルの作成
・冗長化の構成
・動作確認
・自動起動の設定
・全体の最終確認

ざっとこんな感じです。ProDHCPのインストール先OSは、最近ではほとんどLinuxなので、Linuxの知識もかなり必要ですし、ネットワークの知識も必要です。何度もやっていれば、ポイントはもちろん分かるようになりますが、一つでも配慮を忘れると、後で思わぬ障害につながることもあり、気を抜けません。

「そんなもの、手順書を作って、その通りに作業すれば良いではないか!?」と思うかもしれませんが、サーバ環境・ネットワーク環境などが毎回異なるため、完璧な手順書を作るのは相当大変ですし、手順書自体の漏れをなくすことがそもそも困難でしょう。結局は幅広い知識・ノウハウを持った人が、気を配りながらしっかり構築するのが一番確実で安心なのです。しかし、そうだとすると、ProDHCPに関しては私以上に理解している人はこの世にいないので、私がセットアップして確実に動くことを見たお客さんは、毎回私にセットアップして欲しくなってしまいますよね・・・。

IT業界にも作る人・売る人・構築する人、など、様々な立場の人がいますし、会社も様々な長所を持った会社が存在しています。本当は私が場当たり的に構築するよりも、構築のプロがビシッと構築する方が良いことも多いのではないかと思っています。あとはビジネス的にお互いがきちんと稼げる状態になれば良いだけなのですが、そこまで行くのもなかなか大変です。

さて、一昨日書いた「ミスに対して厳しい制裁ばかり考えても逆効果では?」の記事は、たくさんの方にツイートしていただきました。非難を承知で、と書いたわりに、「そのとおりだ」という意見も多く、ホッとしているところです。難しいシステムの構築をやろうと頑張っている人たちが、些細なミスで責任追及されたり、余計な仕事を増やされたりし続けると、本当に日本で難しい仕事を自らやろうという人がいなくなってしまいます。もちろん、やる側の配慮もとても大切で、信頼関係を築くことは、決して一方方向ではできないことです。とはいえ、やはり発注側が強いことばかり言っているようでは、良い関係にはならないことでしょう。今日ご一緒した方々とは、何度も構築をご一緒し、気になることは素直に相談しあいながら作業を進められるので、とても気持ちよく、なおかつ、じっくりと慌てずに作業できます。ここまで来るまでには、もちろん私もミスを何度かしましたし、お客さんも指示が不十分だったこともありましたし、お互いにらみ合ったこともありました。しかし、根本部分では「良いシステムに仕上げたい」という共通の思いがありますから、お互い冷静に、思いをぶつけ合うことで、より深い信頼関係ができていくものです。

ITはデジタルな世界で、人間味なんてない、と思っている人もいるかもしれませんが、実は、かなり人間味があふれる仕事なのですよねぇ。。

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