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プログラミングでメシが食えるか!?

書評&お客さんに喜んでもらうことについて

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先日、当社の企画担当の方から1冊の本を紹介いただきました。

Book

『またあなたから買いたい! カリスマ新幹線アテンダントの一瞬で心をつかむ技術』
齋藤泉

著者は満席時400席の新幹線で、1時間で187個のお弁当を売った記録の持ち主だそうで、非常に読みやすく、販売・営業に関連するとても心を打たれる内容や、パートさんでも組織を動かすという心意気、後輩の指導のコツなど、一気に読み終えました。

私自身は、車内販売というのはホームで買うより少し値段が高いということもあり、車内限定品以外はまず手を出さなかったのですが、すこし興味が出てきました。

内容は買って読んでみていただきたいので、説明しませんが、私が感じたポイントは、

・お客さんに喜んでもらうことを考える
・現場で自ら考え、行動する
・自発的に動く人が動きやすい組織

というあたりかな、と思いました。

ところで、私はプログラマー社長で、今でもプログラミングをしていますし、客先でセットアップのサポートをしたりしています。プログラマーである私が一番お客さんの前で喜んでもらえるのは、「困っているのを助けてあげた時」です。

たとえば、当社のDHCPサーバ製品であるProDHCPを本番環境にセットアップし、設定ファイルはどうするか、という話になった時に、「管理用のExcelデータならありますが、それを一つずつ入力するのはあまりにも時間がかかります。」という相談がきます。ProDHCPを使用するお客さんはほとんどが大規模運用なので、設定も非常に大きくなります。

そんなときに、私を含め、当社メンバーは「ライセンス料には設定サポートは含まれていないので、自分でやってください。」あるいは「別途見積します。」ということはまず言いません。「では、ExcelデータをCSVで書き出してください。それを変換するプログラムを今作りますので。」と、その場でコンバーターを作ります。プログラマーであればそのくらい、3分から10分でできるものです。お客さんが設定を手入力したら1日でも終わらないかも知れません。

その場でさっと作れるのはプログラマーだからです。プログラマーだからこそできるサービスなので、お客さんはとても喜んでくれますし、頼りにしてくれるようになります。このように築いた信頼関係があれば、万が一何らかの障害が発生してしまった場合にも、「お前のせいだ」というやりとりになることはなく、「すぐに直してより良くしましょう」という感じに仕事が進むようになるのです。

もちろん、ボランティアではありませんので、なんでもタダで対応していたら事業になりませんが、現場でさっと自分の得意分野を活かして機転を利かせるというのはとても大切なのです。なにより、お客さんが喜んでくれれば、自分自身もうれしくなるものですから、仕事の質も上がるのです。

このことを考えると、自分が客の立場になる時にも、より良いサービスを受けるヒントが得られます。ベンダーと良い関係を築きたいと考えるのであれば、強引な値引要請をしたり、客なんだからと無理難題を押しつけるのではなく、ベンダーに「おかげで助かった」というような気持ちを伝えることで、担当者も気持ちが良くなり、良いサポートも期待できるものでしょう。

実はそれぞれの分野で一流と言われている人たちは、幅広い人脈を持っているものです。それは、自分の得意分野に自信があるからこそ、他の人の得意分野も理解し、称えるからではないかと思っています。力がない人ほど、ひがんだり、張り合ったりして、交流が広がらないことが多いのでしょう。

「自分だったらどうして欲しいか」を考えて行動することが、顧客満足度を高め、それが自分にも跳ね返ってくる、という、良い循環を自分の回りに作りたいものです。

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