新卒採用
今日は新卒採用の面接を行いました。ソフト関連の採用試験では、適性検査・レポート・面接という流れになっていて、遠方の学生さんのため、両者の都合が合わず少々間が開いてしまいました。
適性検査は特にIT向けというものではなく、一般的なものを使っていますが、レポート・面接はかなり個性的です。レポートは「これまでに打ち込んできたこと」「将来なりたい自分の姿」を文章で提出してもらうのと、プログラミングの課題です。プログラミングの課題は受験者の好みに応じて都度変わることが多く、WEBシステムの課題であったり、純粋なアプリケーションの課題などさまざまです。今日面接した方はプログラミング課題の回答が非常にすばらしいレベルでした。
面接ではレポートに関する内容と、自己アピール、あとは雑談的な内容になります。実はこの中で意外と重要なのが、「IT関連の雑談についてこれるかどうか」です。新卒採用の場合、採用判断時点の技術スキルはそれほど重視しておらず、コンピューターやプログラミングが好きかどうかがポイントになります。好きであれば適切な課題やテーマを与えることであっという間に一人前に育ってもらえるからです。受験者の趣向にもあわせますが、かなりマニアックな話を振ってみて、どう反応するかを見ます。
たとえば、今日の話題では、「エディターは何が好き?」「好きなエディターで、どういうキーストロークがお気に入り?」「コーディングスタイルにどういうこだわりを持っている?」「メーラーは何が好き?」「メール受信はIMAPとPOP3どちらを使っている?」「好きなシェルは?」というような感じでした。普段メンバー間でもこんな雑談になることも多いということもありますし、どのくらい好きな分野にこだわっているかを知ることができます。今日の受験者の方はほとんどの振りに見事に反応してくれてました。
ちなみに、中途採用の場合は、技術スキルも重視します。即戦力を求めるからです。中途で採用後に育つ可能性というのは、新卒に比べると非常に確立が低く、その時点でどのくらい本格派かを見ます。面接でも、普段IT関連とのお客さんとの会話と同じレベルの話題を振ってみますが、全体的な印象としては、中途の方の方がマニア度が低いという感じです。
実は一番最初の会社説明会で数分お話しをするだけで、向き不向きはほとんど見抜けます。例えば「普段どのようなパソコンを使っていますか?」という質問にどのように返答してくれるかで大体分かるくらいなのです。「ソニーのノートパソコンです」というレベルではなく「ソニーのVAIO-TZで、CPUはたしかCore2Duoの1.2GHz。WindowsVistaなので動作が重たくて。VMWareを使ってCentOSも使えるようにしてます。昔はレッツノートが好きだったのですが、重さとバッテリーの持ちは良いものの、厚さが気に入らずVAIOにしてみたのですが、1.8インチの4200RPMのHDDだとやっぱりVistaは重たいですねぇ。」という位の返事がすらすらと出てくると、いかにも好きそうだな、と感じるのです。もちろん好きなら何でもOKと言うわけではありませんが。
昔はコンピューターが少し使えるだけでお客さん対応ができましたが、今では情報関連のお客さんはとても詳しい方が多く、技術を提供しようという立場なのにお客さんの方が詳しいというのではお話しにならないことが多いのです。好きでないものを伸ばすのは非常に難しいので、採用時点でまず好きかどうかが重要なのです。
採用対象が技術者でなく、営業や企画ということであれば、もちろん別の判断をしますが、技術者としてはやっぱりその分野が好きな人がまずポイントです。
今日はたまたま午前中に就職・転職関連の会社の方に来社いただき、採用に関して情報交換をしたのですが、基本的にはまず素地(タイプ・スタンス)、という意見が主流のようですね。私も大切だと思いますが、技術者の場合はそれと同じくらい好きかどうかも大切だと思っています。