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日々の「ハッ、そうなのか!」を書き留める職遊渾然blog

穴太積(あのうづみ)とワインバークの「自然石構築法」

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この本では、ネタを拾いながら作品を同時並行的に作っていくことを、石を拾って城壁や家を造るプロセスになぞらえて「自然石構築法」と呼んでいます。石を拾う段階では、それがどの作品のどの部分に収まるのかは、分かりません。

タスクは、いちどきにひとつ。しかし仕事は、並列で

昨日のエントリを読んだ知人が面白いリンクを送ってくれました。日本における自然石構築法(文章ではなく、リアルな石積みのほう)である、穴太積(あのうづみ)の達人の講演録です。

 穴太衆は、ほとんど野面石(自然石)を集めて積上げます。

(略)

 さて石の積み方ですが、まず必要な自然石をできる限り集め、2~3日間石の間を廻りながら「どんな顔の石があるのか」を見て覚え、頭の中で図面を描きます。その図面が頭の中で完成してから、初めて仕事に取りかかるわけです。

(日本石材産業協会、「石の四季」2005年1月号、PDF)

いやー、本当に文章づくりと似ていますね。そして話はさらに深い世界へ。ここは少々長めに引用させていただきます。もしご興味の沸いた方は原文も面白いのでお読みください。

粟田家・穴太衆の言い伝えに「石の声を聴き、石の行きたがるところへ遣れ」というのがあります。私も先代から聞いたときには「石が喋るわけでもないし、アホなことを」と思ったものですが、10年、20年と経験を積むに従って“この教えは正しかった”と認めざるを得ません。

(略)

無心で作業していたある時に、ある石を思案の末配置しバールで納めた時、「コトン」という音がしました。音がしたかわかりませんが、私には石が“いい所に据えてくれた”と応えてくれたように聞こえたのです。

そのとき初めて、「先代の言った通り、やはり石の声はある。据える者と石との疎通がある」と納得させられました。それ以後石の配置の際には「お前はどこに行きたい?」と、語りかけ石の気持ちを聞こうと努めると、うまく収まる比率が高くなっていきました。すると結果的に仕事の効率も高まり、完璧とは言いかねますが、何とか穴太衆の仕事ができるようになってきました。

ところが二日酔いなど体調が悪く思考力がないときなどは、どう尋ねてみても石が言うことを聞きません。

(同上)

試みに、「石」を「ネタ」に、「据える者」「穴太衆」を「ブロガー」に、それぞれ置き換えてみましょう。


そのとき初めて、「先代の言った通り、やはりネタの声はある。ブロガーとネタとの疎通がある」と納得させられました。それ以後ネタの配置の際には「お前はどこに行きたい?」と、語りかけネタの気持ちを聞こうと努めると、うまく収まる比率が高くなっていきました。すると結果的に仕事の効率も高まり、完璧とは言いかねますが、何とかブロガーの仕事ができるようになってきました。

来年は、ネタの声をもっと聴こう。

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