フリーター等の経験能力
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「厚生労働省:フリーター等の経験能力を適切に評価するための「経験能力評価基準」を初めて作成・公表」という発表を読みました。評価・アドバイスのためのExcelシート付き。検討報告書とExcelシートを合わせて整理したリストを以下に引用します。
- 自らの働く意識を形成する段階
- 働く意識と取組(職業意識・勤労観を持ち職務に取り組む能力)
- 法令や職場のルール、慣行などを遵守している。
- 出勤時間、約束時間などの定刻前に到着している。
- 上司・先輩などからの業務指示・命令の内容を理解して従っている。
- 仕事に対する自身の目的意識や思いを持って、取り組んでいる。
- お客様に納得・満足していただけるように仕事に取り組んでいる。
- 責任感(社会の一員としての自覚を持って主体的に職務を遂行する能力)
- 一旦引き受けたことは途中で投げ出さずに、最後までやり遂げている。
- 上司・先輩等の上位者や同僚、お客様などとの約束事は誠実に守っている。
- 必要な手続や手間を省くことなく、決められた手順どおり仕事を進めている。
- 自分の犯した失敗やミスについて、他人に責任を押し付けず自分で受け止めている。
- 次の課題を見据えながら、手がけている仕事に全力で取り組んでいる。
- 働く意識と取組(職業意識・勤労観を持ち職務に取り組む能力)
- 他者との関係の中で職務を行うために必要な能力を形成する段階
- ビジネスマナー(円滑に職務を遂行するためにマナーの良い対応を行う能力)
- 職場において、職務にふさわしい身だしなみを保っている。
- 職場の上位者や同僚などに対し、日常的な挨拶をきちんと行っている。
- 状況に応じて適切な敬語の使い分けをしている。
- お客様に対し、礼儀正しい対応(お辞儀、挨拶、言葉遣いなど)をしている。
- 接遇時、訪問時などに基本的なビジネス・マナーを実践している。
- コミュニケーション(適切な自己表現・双方向の意思疎通を図る能力)
- 上司・先輩などの上位者に対し、正確にホウレンソウ(報告・連絡・相談)をしている。
- 自分の意見や主張を筋道立てて相手に説明している。
- 相手の心情に配慮し、適切な態度や言葉遣い、姿勢で依頼や折衝をしている。
- 職場の同僚等と本音で話し合える人間関係を構築している。
- 苦手な上司や同僚とも、仕事上支障がないよう、必要な関係を保っている。
- チームワーク(協調性を発揮して職務を遂行する能力)
- 余裕がある場合には、周囲の忙しそうな人の仕事を手伝っている。
- チームプレーを行う際には、仲間と仕事や役割を分担して協同で取り組んでいる。
- 周囲の同僚の立場や状況を考えながら、チームプレーを行っている。
- 苦手な同僚、考え方の異なる同僚であっても、協力して仕事を進めている。
- 職場の新人や下位者に対して業務指導や仕事のノウハウ提供をしている。
- ビジネスマナー(円滑に職務を遂行するためにマナーの良い対応を行う能力)
- 職務への取組をさらに発展したものとするために必要な能力を形成する段階
- チャレンジ意欲(行動力・実行力を発揮して職務を遂行する能力)
- 仕事を効率的に進められるように、作業の工夫や改善に取り組んでいる。
- 必要性に気づいたら、人に指摘される前に行動に移している。
- よいと思ったことはどんどん上位者に意見を述べている。
- 未経験の仕事や難しい仕事でも「やらせてほしい」と自ら申し出ている。
- 新しい仕事に挑戦するため、資格取得や自己啓発などに取り組んいる。
- 考える力(向上心・探求心を持って課題を発見しながら職務を遂行する能力)
- 作業や依頼されたことに対して、完成までの見通しを立てて、とりかかっている。
- 新しいことに取り組むときには、手順や必要なことを洗い出している。
- 仕事について工夫や改善を行った内容を再度点検して、さらによいものにしている。
- 上手くいかない仕事に対しても、原因をつきとめ、再チャレンジしている。
- 不意の問題やトラブルが発生したときに、解決するための対応をとっている。
- チャレンジ意欲(行動力・実行力を発揮して職務を遂行する能力)
- さらに専門的な職業能力を形成する段階
- 自己調整力(ストレスをコントロールしながら職務を継続する能力)
- ベストの体調で仕事にのぞめるよう、自己の健康管理を行っている。
- ストレスの多い状況下でも感情的にならず自分をコントロールしている。
- 問題を抱え込まず、周囲の人々に相談している。
- 仕事の上司や周囲の厳しい指導や指摘に対しても、冷静さを保って、受け答えしている。
- 仕事で、失敗した場合もくじけず前向きに取り組んでいる。
- 専門性(自らの専門的能力を蓄積しながら職務に活かしていく能力)
- 自らの能力のうち、職務に活用できる能力に気がつき、活かしている。
- 自らの専門的な能力を上司や同僚に理解させて、特別に仕事をまかされている。
- 目的意識を持ち、将来のために進んで資格取得や自己啓発に取り組んでいる。
- 職業経験・自己啓発から得た能力(スキル、人脈など)を組合せ、仕事の効率を上げている。
- 職業経験・自己啓発から専門的能力を高めて、さらに困難な仕事に取り組んでいる。
検討委員会の主力は大手コンビニ5社の人事部門の方々。つまり上記は企業サイドが定義する、アルバイトを通じて高められ得る職業能力のリストです。評価の物差しを提示するということは、これだけの能力を伸ばす機会をアルバイトに与えますよという意思表示と考えていいでしょう。
正社員の人がこれを見るときには、正社員には、上記に載っていない能力こそが求められているということに思いをいたして欲しい。上のことはどうでもいいという意味じゃありませんよ。上記の能力で済む仕事はアウトソースされ得るという意味です。そうすると興味深く読めると思います。
当社が開発している「意志決定研修」の中に、「正社員の定義」という演習があります。正社員の参加者に、正社員とは何か、なぜあなたの仕事はアウトソースされないのかを定義してもらいます。なかなか難しい演習ですが、組織における個人の存在意義を考え・話し合うよいきっかけになります。なんだか真面目になってきてしまったので今日はここまで。
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