オルタナティブ・ブログ > ナレッジ!?情報共有・・・永遠の課題への挑戦 >

エンタープライズコラボレーションの今と今後を鋭く分析

社内SNSに会社批判が書かれるとまずい理由は?

»

 先日書いた社内SNSでの検閲のエントリーの最後で『社内SNSの導入を検討している情報システム部門の人に「会社批判が書かれたらどうするのですか?」と良く聞かれるのだが、これは「会社批判が書かれたらなぜまずいのか?」という質問を投げ返すようにしている。』と書いたところ一部で誤解されたようなので改めて捕捉する。

 元の記事が長くなると思って詳しい説明をしなかったが、これは社内SNSの導入の際に会社批判というものについて一度よく考えてみようという趣旨であって、社内SNSに会社批判を書くことをどんどん推奨しようということではない。

 私の過去の経験では「会社批判が書かれて何がまずいのですか?」と聞かれてちゃんと答えられない情報システム部門の人はけっこういる。先輩からそう言われたからなんとかなくダメだと思うなんて誤魔化さないでちゃんと考えて欲しい。これは情報システム部門だけでなく社内SNSの導入推進を進めている部門(例えば経営企画部門だとか風土改革委員会だとか)とも一緒に議論して欲しい。

 社内SNSの導入前のこうした議論で「単なる批判はダメだが批判の後に改善方法を提示するなどの建設的な意見であれば良い」という結論になり導入時の説明会でそう旨説明をし、書き方の例まで提示したケースがある。
 逆に役員自らが会社批判全然OKと言い放ってなにも規制していない会社もある。この役員にその趣旨を確認したところ、むしろ逆に日頃は言いにくくて表に出てこない会社の不満を吸い上げるために社内SNSを活用することを期待しているとのこと。その後に出た昔話によると、以前は会社も若くて小さくそういう会社批判も夜の飲み屋などでは活発にやっていたし、それが経営層まで届いていたことを懐かしがるとともにそれを取り戻したいという気持ちが根底にあるようだった。

 あと社内SNSではないが、私が数年前に自社(厳密には合併する前の旧社)に掲示板型の社内コミュニティを導入する際にもこの議論があった。その際には「会社のやり方に不満や改善点がありそれを指摘するのであれば、それは提案制度など所定の手続きがあるはずでそれに則って行うべきだ」という結論になり、導入教育の際のFAQに

Q:会社の批判を書いて良いですか?
A:業務改善などを提案する場合は所定の提案ボックスがありますのでそちらを使って下さい。

というような内容を追加することになった。

 会社批判を書くなと言うのは簡単だ。でも不満を書くことを禁止しても不満がなくなるわけではない。その不満はどこに行くのだろうか。胸の奥にしまっておけば時間とともに消えてなくなるのなら良いが、そうではないだろう。今や社内SNSに書けなくてもネットの至る所に会社批判を書くことができる場を見つけられる。それも匿名で。
 社内SNSのような安易に皆の目に留まる場に個々人の不満を垂れ流しにすることは、健康的な職場環境の維持という面を考慮すれば、十分に禁止できることではである。しかし、その場合は別途手続きを定め社員からの提案を受け付ける体制を整えて、その入り口を社内SNSのわかりやすい場所に明示しておくのが本道ではないか。

Comment(2)

コメント

腹に一物を持ったままではいい仕事は出来ないと思います。
不平不満の発言も許し、発言の勇気を褒めるぐらいの寛容さが必要だと思います。
その中から改善すべき真の問題点が浮かび上がって来るものと思います。

品質工学で隠蔽を無くす体制作りの話で、
「米軍の空母の甲板で工具を紛失した場合それを申告した人を褒め称え、みんなで探し見つけた人をまた褒め称える」
そうです。
これになぞらえ、不満の発言も褒めそれに伴う改善提案も褒めると言った体制があっても良いと思います。
多事争論が無ければ何も変わらないと思います。
KYと揶揄されることを恐れず多事争論することが大事だと山田太一さんや姜尚中さんも強調されています。

blogにコメントすることblogで発言することから多事争論を始めたいと思っています。

植村さんコメントありがとうございます。
 多事争論は賛成なのですが、それもやはり全体との兼ね合いとかバランスだと思います。実際たしかに単なる不平不満だけで建設的な内容が無いような文章が大量に人目にさらされたりすることがあるとかなり雰囲気が悪くなります。
 言霊というか言葉って発せられたり表に出ると案外影響力があって、頭ではわかっていてもそっちに流れていくことも多いですから。

コメントを投稿する