検索ブログ->検索チャット~検索履歴を使ったコミュニケーションの可能性
サイボンというベンチャーが“検索ブログ”というコンセプトの「フォーカス」β版をリリースしている。検索エンジンの検索履歴(検索条件)にショートメッセージを付加して保存できるというサービスのようだ。
検索エンジン自体は、Google/Amazon/Wikipedia/YouTube のものを使っていてそれにマッシュアップしていくつか機能を追加した形になっている。
検索条件を保存して再利用するというアイデアは以前からある。私も自社にエンタープライズサーチ(BizSearch)を導入するときに検索条件を保存して共有できるようにBizSearchをカスタマイズして貰ったことがある。イントラネットでも特定分野で繰り返し同じ条件を使って検索をするケースがあるのではないかというのと、そもそも検索熟練者による優れた検索式は社内の大切なナレッジのひとつだと捉えたからだ。
目的に合致した良い検索条件を見つけたときにそれを、タグ付きで保管しておけば後から再利用したり同じような条件で検索を行う他人から便利に使えるだろうと考えた。
結果としては、思ったほどは使われなかったが一部の人からは好評という感じだった。確かに複雑な検索条件を組み合わせた長い検索式を何度も設定するのは面倒なのでヘビーユーザにとっては便利で好評だったが、他人の検索条件まで再利用するというニーズやシーンは多くは無かった。
ただインターネット検索だとマーケットの動きや特定分野の動向を見るような使い方があるので、同じ条件で定期的に検索を繰り返すというシーンはイントラネットよりは多い。私自身もYahoo!ブログ検索のようなRSSを出力してくれるような検索エンジンに定期的に使う検索条件をいくつか設定たり、Googleでユニークになる検索結果URLをリンクやブックマークでそのまま保管して再利用するなんてことをやっている。
サイボンのアイデアは、この検索条件(検索履歴)を使ってコミュニケーションしようというものでアイデアとしては面白い。ただ今のインターフェースは「フォーカス」のWeb画面上のものしかない。メッセージや履歴も単に時系列に表で並ぶだけなのでこれでは“検索ブログ”のコミュニケーションはあまり活性化しそうにない。
検索結果をそのままブックマークレット経由でTwitterへ投稿させるとか、メッセージをツリー形式で表示するとか“検索チャット”的な工夫があるともっと盛り上がって新しい何かが見つかるかもしれないと思った。