オルタナティブ・ブログ > とあるコンビニオーナーの経営談議 >

社員の時に見ていた店の状況、オーナーになってから見ている店。見ている方角が違うとこんなにも違うコンビニの光と影。お客様とは何にも関係無いところで巻き起こるあれやこれ。(笑

書評『ITインフラ活用経営』浅野 恭平著

»
誠ブログオフ会にて頂いた本である。表紙に「流通業のサプライチェーンマネジメントを実現する」と書かれていたので、流通業に携わっているものとして興味深く本を開いた。冒頭を読み、すぐこの本の書評を受けたことを後悔した。
システム系に携わっている人が読む本だった(汗
単なるコンビニのおっさんには、理解出来ない言葉が散りばめられて難読な内容であった。しかし、読み進めていくとなんとなく私に関係する内容も出てきた。

コンビニではチェーンによって違いはあれど、各店にコンピュータを導入している。売上管理や発注業務、その他に使われているが、とことんクローズドにされている。コンピュータからは、一つのデータもデジタルで抜き出すことはできない。
せっかく売上データが蓄積されているのに、個店の仮説からデータで実証しようとしても、フォーマットが変更できないため、分析に時間がかかる(データを自分のPCに打ち込み直さないといけないからだ)
根付く問題点に違いはありますが、これを、書の中では「マシンtoマシンが普及しない小売業」として、別の事例を元に書かれている。

この本が提示する大きな問題の一つに、古いモノの延長に新しいものを継ぎ足してきていることが挙げられている。
確かに、この10数年時代は大きく変化した。個人でコンピュータが持てるようになり、それを場所もハードも選ばずに使える。正しくクラウド時代だ。
しかし、古いもの(レガシー)を基盤にしていくと、それが制約条件になると著者浅野氏は言う。

コンビニエンスストアの進化はシステムと共にあると言っても過言では無いだろう。
バーコードが生まれ、商品数を増やすことが苦労ではなくなった。コピー機は今や単なるコピー機では無くなり、写真の現像、FAX、チケットの発券といったマルチメディア化している。
そんな中、全くと言っていい程進化していないのが、発注システムだ。私がコンビニエンス業に関わって15年が過ぎようとしているが、全く変化がない。
実績データを見て、売り場を確認して、別の画面で発注する。店内コンピュータは数年に毎にバージョンアップしているが大きな変化はない。
データ分析からダイレクトに発注・売り場管理が出来るようになるのはいつになることやら(汗
この発注システムがレガシー問題からの要因かはわからないが、パーソナルコンピュータの進化を考えると、あまりにもお粗末なシステムと言うしかない。

流通業界のシステムに関わる方には是非読んで頂きたい一冊だ。
ITインフラ活用経営 目次
1;企業間での活用が進まない日本IT
2;経営の進化を阻むレガシー問題
3;日本の流通ITの歴史と問題点
4;製・配・販の共通プラットフォームを目指す取り組み
5;小売の店頭を支える「卸」の役割
6;次世代EDIへの移行が急がれるドラッグストア業界
7;新たな需要を創造する「バイヤーズネット」
8;これからのインフラについて考える


コンビニ新商品ONE TOPIはコチラ
新商品情報・試食感想をつぶやいてます!!
Comment(0)