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「誰かが教えてくれることを信じるのではなく、自分で考えて行動する」ためには、矛盾だらけの「現実」をありのままに把握することから始めるリアリスト思考が欠かせません。「考える・書く力」の研修を手がける開米瑞浩が、現実の社会問題を相手にリアリスト思考を実践してゆくブログです。

工業製品を説明するときによく出現する「用途と機能とメカニズム」パターン

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こんにちは、文書化支援コンサルタントの開米瑞浩です。
原子力論考書いたりiPadケースの改造を書いたりしていると本業を忘れられそうですが、本業は私は「難しいことをわかりやすく書きたい人のための文書化支援」と、それに関連した企業研修をやっています。

たとえばこういう文章について・・・・(以下、原文と呼ぶ)

RSSとは、Webページのタイトル、見出し、要素(本文)、更新日時などの属性(summary)をXMLフォーマットで記述して、各ページの更新情報を公開するためのしくみです。XMLフォーマットで記述されたRSSフィードを、RSSリーダーと言われるソフトに読み込ませることによって、更新情報が自動取得、閲覧できます。これにより、ニュースサイト、ブログなど、自分の関心事に沿った情報を、効率的かつ習慣的に取得することができます。

いや、こういう文を読むとほんの1,2行で挫折する人、多いでしょうね。「XMLフォーマット」というような専門用語が出てくると、その知識を持たない人にとっては「理解する上でのハードル」がいきなり上がるので、「これは私には読んでもわからないんじゃないだろうか」と感じさせてしまい、先を読む気を一気に失わせてしまうのです。

こういう文はたとえばこういう形に書き直すと、(以下、改善案と呼ぶ)

用途)RSSとは、ニュースサイト、ブログなど、自分が関心のある多数のサイトの更新情報を、効率的かつ習慣的に取得できるしくみです。
機能)このために、情報を掲載するサイト側は更新情報を共通のフォーマットで公開するようにして、情報を読みたい読者側はその共通フォーマットの情報を効率的に集めてくるうなツールを使います。
メカニズム)読者側が使うツールをRSSリーダーと言います。RSSリーダーは多数のサイトから情報を集めてきます。その集める情報はどのサイトも共通のフォーマットで公開されています。その共通のフォーマットで書かれた情報をRSSフィードといい、サイトごとにWebページのタイトル、見出し、要素(本文)、更新日時などの情報が含まれています。RSSフィードはXMLという技術を応用して作られています。

そういう「見慣れない専門用語に出くわしていきなり挫折」することを防ぎ、最低限の情報は読んでくれることを期待できるようになります。

原文と改善案を比べてみると、表現の細かな違いもありますが、大きく目につくのは「用途・機能・メカニズム」という3つのキーワードです。実はこの「用途・機能・メカニズム」というパターンは使える機会が多いので、覚えておくと便利ですよ。特に工業製品を説明するときにはよくこのパターンが出てきます。

「用途・機能・メカニズム」というのは、たとえば「懐中電灯をつけるための乾電池」について書くとこんなふうになります。



↓こちらのファイルにはもっと詳しく書いておきましたので、どうぞ参考にしてください。

開米の文書化研究ノート No.3 「用途と機能とメカニズム」パターンの応用

「開米の文書化研究ノート」 のバックナンバーは下記ページで配布しています。
開米の文書化研究ノート コーナー 


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