クラウド活用で利用者はシステム主権を奪還するのだ!
SaaS、そしてクラウドの潮流は本当に面白い。IT業界に20年以上いるが、そんな私の中で変化が起きている。
90年代にクライアント/サーバが流行し、エンドユーザ・コンピューティングが叫ばれた。しかし、エンドユーザがシステムを作れるわけではなく、相変わらすベンダーの手を借りなければ何もできない時代、つまり
「ベンダーに依存したシステムの時代」 が続いてきた。
ベンダー側にとっても、そこが収益の源泉であった。
昨今のクラウドブームは、既存のITベンダーがマーケット活性化のために生み出したものではなくなっている。ITベンダーと関係のない、新しいプレイヤーによって形成さるムーブメントである。アマゾンは本屋、コクヨは事務器文房具屋、三菱商事、清水建設もICTベンダーではない。中小マーケットで勢力を伸ばしている会計ソフトも、ソフト会社が広めているのではなく、商工会や会計士、税理士が広めている。
○清水建設/プロパティーデータバンク:不動産管理のノウハウを基にした「@プロパティ」
○三菱商事:建設現場でのノウハウを基にした「建設サイトシリーズ」
○コクヨS&T:情報提供トレーサビリティサービス「@Tovas」
ASPIC(http://www.aspicjapan.org/)によれば、ASP・SaaS提供ベンダーの内訳は、なんと
33.3%がICT分野以外からの参入
18.2%がASP・SaaSでビジネスを企業した新規組み
48.5%が既存のICTベンダー
ということである。これからは、
コンテンツとその活用ノウハウを持った者が
次の主役になれる
今までは、コンテンツを持っていても活用する技術をSIerに頼らなければならなかった。しかし、これからは、コンテンツを持った者自身がPaaSを利用して気軽に活躍できる時代である。
「クラウド活用で利用者はシステム主権を奪還するのだ!」
と叫んでみた。