【図解】コレ1枚でわかるSRE
インフラにおける日々の運用業務は、クラウド事業者に任せられるようになりました。またインフラを使うために必要な設定は、クラウドであればツールやAPIを介して使えるようになり、アプリケーション開発者にもできる時代です。このような仕組みが、先に紹介したインフラを設定する全ての手順をコード化する「Infrastructure as Code」です。
こんな時代に運用技術者に求められる役割も大きく変わろうとしています。例えば、これまで求められてきた業務は、次のような内容でした。
- ITの実務上の利用方法について問い合わせを受けて対応する窓口業務
- 定められたオペレーションを繰り返し実施する定常業務
- ITに関するトラブルに対応する障害対応業務
- インフラに関する管理業務(構成管理やキャパシティ管理など)
このような業務は積極的にクラウド・サービスや自動化ツールに置き換え、どんどん変わるビジネス要件に柔軟・迅速に対応できるインフラ環境を作ることへと、業務の重点を移してゆくことが求められています。
具体的な業務は次のようなものです。
- 変更への即応性や信頼性の高いシステム基盤を設計
- 運用管理の自動化/自律化の仕組みを設計・構築
- 開発者が利用しやすい標準化されたポリシーやルールの整備 など
このような役割を担う技術者は「SRE(Site Reliability Engineer)」と呼ばれています。彼らは、開発者とサービス・レベルの目標値を共有し、協力しながら開発やテスト、本番稼働に必要なインフラ環境をすぐに使える組織横断的な仕組みを作ることに取り組みます。
先に紹介したAIOps(AIを使った運用)のサービスやツールの普及もこの取り組みを支えることになるでしょう。
インシデント対応やインフラの安定稼働といった守りの役割から、加速するビジネス・スピードの変化に対応し「ビジネスの成果に貢献する」することへと、運用技術者の役割は大きく拡がろうとしているのです。
【募集開始】次期・ITソリューション塾・第47期(2024年10月9日 開講)
次期・ITソリューション塾・第47期(2024年10月9日[水]開講)の募集を始めました。
次のような皆さんには、きっとお役に立つはずです。
- SI事業者/ITベンダー企業にお勤めの皆さん
- ユーザー企業でIT活用やデジタル戦略に関わる皆さん
- デジタルを武器に事業の改革や新規開発に取り組もうとされている皆さん
- IT業界以外から、SI事業者/ITベンダー企業に転職された皆さん
- デジタル人材/DX人材の育成に関わられる皆さん
ITソリューション塾について:
いま、「生成AI」と「クラウド」が、ITとの係わり方を大きく変えつつあります。
「生成AI」について言えば、プログラム・コードの生成や仕様の作成、ドキュメンテーションといった領域で著しい生産性の向上が実現しています。昨今は、Devinなどのような「システム開発を専門とするAIエージェント」が、人間のエンジニアに代わって仕事をするようになりました。もはや「プログラマー支援ツール」の域を超えています。
「クラウド」については、そのサービスの範囲の拡大と機能の充実、APIの実装が進んでいます。要件に合わせプログラム・コードを書くことから、クラウド・サービスを目利きして、これらをうまく組み合わせてサービスを実現することへと需要の重心は移りつつあります。
このように「生成AI」や「クラウド」の普及と充実は、ユーザーの外注依存を減らし、内製化の範囲を拡大するでしょう。つまり、「生成AI」や「クラウド」が工数需要を呑み込むという構図が、確実に、そして急速に進むことになります。
ITベンダー/SI事業者の皆さんにとっては、これまでのビジネスの前提が失われてしまい、既存の延長線上で事業を継続することを難しくします。また、ユーザー企業の皆さんにとっては、ITを武器にして事業変革を加速させるチャンスが到来したとも言えます。
ITに関わる仕事をしている人たちは、この変化の背景にあるテクノロジーを正しく理解し、自分たちのビジネスに、あるいは、お客様への提案に、活かす方法を見つけなくてはなりません。
ITソリューション塾は、そんなITの最新トレンドを体系的に分かりやすくお伝えするとともに、ビジネスとの関係やこれからの戦略を解説し、どのように実践につなげればいいのかを考えます。
詳しくはこちらをご覧下さい。
※神社の杜のワーキング・プレイス 8MATO(やまと)会員の皆さんは、参加費が無料となります。申し込みに際しましては、その旨、通信欄にご記入ください。
- 期間:2024年10月9日(水)〜最終回12月18日(水) 全10回+特別補講
- 時間:毎週(水曜日*原則*) 18:30〜20:30 の2時間
- 方法:オンライン(Zoom)
- 費用:90,000円(税込み 99,000円)
- 内容:
- デジタルがもたらす社会の変化とDXの本質
- IT利用のあり方を変えるクラウド・コンピューティング
- これからのビジネス基盤となるIoTと5G
- 人間との新たな役割分担を模索するAI
- おさえておきたい注目のテクノロジー
- 変化に俊敏に対処するための開発と運用
- アジャイルの実践とアジャイルワーク
- クラウド/DevOps戦略の実践
- 経営のためのセキュリティの基礎と本質
- 総括・これからのITビジネス戦略
- 特別補講 *講師選任中*
神社の杜のワーキング・プレイス 8MATO
8MATOのご紹介は、こちらをご覧下さい。
6月22日・販売開始!【図解】これ1枚でわかる最新ITトレンド・改訂第5版
生成AIを使えば、業務の効率爆上がり?
このソフトウェアを導入すれば、DXができる?
・・・そんな都合のいい「魔法の杖」はありません。
これからは、「ITリテラシーが必要だ!」と言われても、どうやって身につければいいのでしょうか。
「DXに取り組め!」と言われても、これまでだってデジタル化やIT化に取り組んできたのに、何が違うのかわからなければ、取り組みようがありません。
「生成AIで業務の効率化を進めよう!」と言われても、"生成AI"で何ですか、なにができるのかもよく分かりません。
こんな自分の憂いを何とかしなければと、焦っている方も多いはずです。