【図解】コレ1枚でわかるDXを支える4つのTransformation
DX=「デジタル前提の社会に適応するために会社を作り変えること」は、顧客、従業員、事業(ビジネス)、システム開発の変革を伴います。
顧客の変革:CX/Customer Transformation
いまやデジタルとリアルが融合し、1つの動線でつながっています。この一連の体験/UXを魅力的なものにすることが、顧客の満足度を高め、売上の増大に貢献します。例えば、生成AIを組み入れたMA(Marketing Automation)やCRM(Customer Relationship Management)などのツールを使えば、顧客個別に最適化されたコンテンツの生成や、顧客の質問に柔軟に対応できるヘルプデスクの実現など、顧客との関係構築業務を、高い品質を保って自動化できます。
人間は、ここで生みだされた時間を使い、顧客に寄り添った丁寧な接客応対、例えば、顧客の感情の機微に配慮した対話、高度な専門知識を駆使したアドバイス、顧客の想いや価値観を探りながらの課題抽出など、人間にしかできないことに、時間や意識を注げるようにしなくてはなりません。
従業員の変革:EX/Employee Transformation
予測できない変化に俊敏に対処するには、ビジネスの最前線いる人たちに大幅に権限を委譲し、即決、即断、即実行を許容できなくてはなりません。時間をかけて徹底してリスクを排除する稟議プロセスで、現場のチャレンジを躊躇させ、迅速な対応を妨げてはなりません。そのためには、経営と現場との強い信頼関係を築く必要があります。
そのためには、業務プロセスを徹底してデジタル化し、企業活動をリアルタイム・データで捉えるためのERPは、欠かせません。これにより、会議をせず、報告書も書かずに、ありのままの事実を即座に関係者全員で共有できます。
さらに、社内SNSやオンライン会議ツール、ワークフロー・システムを整備して、どこでも仕事ができるようにして、ワークスタイルの多様化に対処できます。生成AIツールを使えば、情報の収集や分析、報告資料や提案書の作成、課題分析や新規事業のアイデア出しなどの「知的力仕事」の生産性を高めることもできます。
人間には、人間にしかできない、新たなテーマの創出や人間同士のふれあいが必要な業務に、より多くの時間が割けるようになるでしょう。結果として、ビジネスの価値と生産性は高まり、従業員の収入や雇用条件などの待遇は向上し、エンゲージメントも向上します。このサイクルを確立しなくてはなりません。
業務(ビジネス)の変革:BX/Business Transformation
業務プロセスやビジネス・モデルを徹底してデジタル化することで、事業活動や顧客との関係は、データとしてリアルタイムに把握できるようになります。先にも述べたように、ERPパッケージ(あるいは、ERPクラウド・サービス)は、そのための土台となるものです。
当然、仕事の進め方や業績の評価方法、働き方や雇用制度、組織や体制なども、アナログ時代に最適化されたやり方を捨て、デジタルに最適化されたやり方に作り変えなくてはなりません。このような取り組みをしないままに、デジタル・ツールを使っても成果には結びつきません。
システム開発の変革:DevX/Developer Transformation
何をしたいかを伝えれば、仕様を書き、実装計画を示し、それに沿ってコードの生成や既存コードの修正を行い、ビルドしてエラーがあれば、その修正もしてくれるという、コーディングのほとんど全ての工程を自動化できる時代になりました。人間は各工程で必要に応じて修正すればいいだけです。
これまで、大規模システムでは、上記工程で膨大な労働力を必要とすることから、これを外注することが一般的となっていました。また、システムの開発や改善に際して、外注先との交渉や、業務課題やニーズの説明に相応の手間や時間をかけていました。
このようなやり方では、変化に俊敏に対処することはできません。そこで、外注に依存せず、内製で対処できる能力を持つことが必要とっています。
上述のような生成AIを活かしたサービスは、内製化の課題となる少ない労働力でも、システム開発をこなせるようになります。また、未来を正確に予測することなく、いまの現実に最善を尽くすアジャイル開発、不確実なシステム資源の需要変動に柔軟迅速に対処できるクラウドなど、時代に即したテクノロジーやツールを活用して、変化に俊敏に対処できるシステム開発を目指さなくてはなりません。
締め切り間近 次期・ITソリューション塾・第45期
2024年2月14日[水]よりの開講いたします。
次期、ITソリューション塾では、臨時補講として「生成AIの実践ノウハウ」をこの分野の第一人者にお願いしました。また、特別補講では、「トヨタのデータ&デジタル戦略の最前線」をド真ん中の当事者に語っていただきます。
ご参加をご検討頂ければ幸いです。
- SI事業者/ITベンダー企業にお勤めの皆さん
- ユーザー企業でIT活用やデジタル戦略に関わる皆さん
- デジタルを武器に事業の改革や新規開発に取り組もうとされている皆さん
- IT業界以外から、SI事業者/ITベンダー企業に転職された皆さん
- デジタル人材/DX人材の育成に関わられる皆さん
そんな皆さんには、きっとお役に立つはずです。
詳しくはこちらをご覧下さい。前期・第44期の講義のダイジェスト動画も掲載していますので、よろしければご覧下さい。
- 期間:2024年2月14日(水)〜最終回4月24日(水) 全10回+特別補講
- 時間:毎週(水曜日*原則*) 18:30〜20:30 の2時間
- 方法:オンライン(Zoom)
- 費用:90,000円(税込み 99,000円)
- 内容:
- デジタルがもたらす社会の変化とDXの本質
- IT利用のあり方を変えるクラウド・コンピューティング
- これからのビジネス基盤となるIoTと5G
- 人間との新たな役割分担を模索するAI
- おさえておきたい注目のテクノロジー
- 変化に俊敏に対処するための開発と運用
- アジャイルの実践とアジャイルワーク
- クラウド/DevOps戦略の実践
- 経営のためのセキュリティの基礎と本質