インプットを増やすいい方法を教えよう
「もっとインプットを増やさなきゃいけない。それが我が社の若い人たちの課題です。」
人材育成を担当している方からこんな話を伺った。役立ちそうな本や研修を紹介しても、反応はいまひとつだと言う。そこで次のようなアドバイスを差し上げた。
「効果的な方法がありますよ。アウトプットの機会を沢山与えることです。」
アウトプットの機会を与えれば、その中身を作らなくてはいけない。そうすれば、必然的にインプットを増やさなくてはならない。特に人前で話すとなると、テーマやストーリーが稚拙で、内容が浅ければ、その反応で自ずと自分の出来の悪さを知ることになる。恥ずかしいし、格好が悪い。そんなフィードバック環境を与えてあげれば、自ずとインプットの量も増やさなくてはならなくなるし、考察も深まって質も高まる。
何も、講演会を頻繁に開催しろと言う話しではない。身近なことでアウトプットを増やすことはできる。
例えば、私が主宰しているITソリューション塾の参加者には、毎週の講義で聞いた話しを月曜日の朝に部門の全員に紹介しているという。それが、上司が与えた塾の参加条件だったそうだ。受講した本人の弁によれば、おかげで講義には集中しなくてはならない。しかも、話す準備を始めると自分の理解の曖昧さに気付き、改めて調べ直すこともある。その結果、インプットの量と質を高めることができたそうだ。
また、私は新入社員研修で事前課題に取り組んでもらうようにしている。今年度の事前課題を以下にご紹介しよう。
- あなたは、これからITに関わる仕事をすることになります。そんなITは、私たちの社会やビジネスに、どのような価値をもたらすのでしょうか。効率化やコストの削減、利便性の向上といった価値以外にどのような価値があるのかを、事例を交えて説明してください。
- クラウドや自動化、人工知能(AI)の普及は、人間が手間をかけなければできなかった仕事や、人間にしかできないと考えられてきた仕事を置き換えてゆきます。そんな時代に、あなたは、ITビジネスに関わる人間として、どのような役割やスキルを求められるのでしょうか。文章にまとめてください。
- ITは日々進化し続けています。いまの正解は明日の正解ではなく、常に新しい正解が作られてゆきます。そんな変化の激しいIT業界の中で仕事をするためには、ITのいまを知るだけでは不十分で、常に時代の変化を先読みする能力が必要です。このような能力を育て、磨いてゆくためには、何をすればいいのでしょうか。いまの自分にできるかどうかは別にして、自分の「あるべき姿」はどうあるべきかを説明してください。
なかなかの難問だ。しかも全て、文章で回答することを求めている。そうすると、いまの若者たちは、まずはネットで答えを探そうとする。しかし、そのものズバリの回答は見つからない。だから、いろいろと考える。さらに文章にするとなると、そのロジックを組み立てなくてはならないので、さらに考えを深めなくてはならない。そして、ついにまともな回答が出せないこと、あるいは、何が正解なのか分からないという事実に気付くことになる。
アウトプットすると自分の「知っている」や「理解している」の状態が「見える化」される。「知っているつもり」や「分かっているつもり」でいることが許されない状況に追い込まれる。「無知の知」に至るわけで、その状態で講義に参加すれば、自ずと前のめりになって講義を受けてくれるようになり、インプットの質が高まってゆく。
ブログを書く、コミュニティや勉強会に参加して発表する、お客様の定例ミーティングで、かならず新しい製品や技術について説明するなど、アウトプットの機会を自らの意志で増やすことができれば、さらにインプットは増えてゆく。
インプットを増やしたければ、アウトプットの機会を増やすことだ。1つのアウトプットを作るためには、10のインプットが必要となる。アウトプットの機会を増やすほどに、インプットの量と質は加速度的に増えてゆく。
次期・ITソリューション塾・第31期(5月22日スタート)の受付が始まりました。
次期・第31期では、新しいテーマを追加し、より実践的な内容にしようと準備しています。そのための特別講師として、SAPジャパン社長の福田譲氏にも講師をお願いし、「DX時代の次世代ERPとプラットフォーム」をテーマにお話頂きます。
また、DXの実践では戦略スタッフサービス代表の戸田孝一郎氏、セキュリティの基本とDX時代の戦略についてはマイクロソフト・ジャパンCSOの河野省二氏にも講師をお願いし、新しい常識への実践的な取り組みをご紹介頂きます。
詳しくは、こちらをご覧下さい。具体的な日程や内容について、紹介しています。
参加登録された方は
。遠方からのご参加、出張中、あるいは打ち合わせが長引いて間に合わないなどの場合でも大丈夫。PCやスマホから でご参加頂けます。日程 | 2019年5月22日(水)〜7月31日(水) |
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回数 | 全10回+特別補講 |
定員 | 80名 |
会場 | アシスト本社/東京・市ヶ谷 |
料金 | ¥90,000- (税込み¥97,200) 全期間の参加費と資料・教材を含む |
詳細 | ITソリューション塾 第31期 スケジュール |
* 参加のご意向がありましたら、正式なお申し込みは後日でも構いませんので、まずはメールにて、ご一報頂ければ幸いです。参加枠を優先的に確保させて頂きます。早々には定員に達すると思われますので、まずは、ご連絡下さい。
ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA
【4月度・コンテンツを更新しました】==========
- 2月よりスタートしたITソリューション塾の新しいシーズン(第30期)の講義内容を公開しています。
- 動画セミナーを新しい内容に更新しました。
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総集編
【改訂】総集編 2019年4月版・最新の資料を反映しました。
動画セミナー
【改訂】人工知能
【改訂】これからの開発と運用
【改訂】データベースとストレージの最新動向
ITソリューション塾・最新教材ライブラリー
【改訂】ブロックチェーン
【改訂】量子コンピュータ
【改訂】RPA
【改訂】データベースとストレージの最新動向
【改訂】これからの開発と運用
ビジネス戦略編
【改訂】「デジタルとフィジカル(2) p.4
【新規】DXを取り巻く2つの環境 p.23
【新規】お客様との新しい関係 p.43
【新規】DXのシステム実装 p.50
【新規】2025年の崖 p.71
【改訂】「共創」ビジネスの本質 p.127
【新規】リーダーシップの在り方を見直す時代 p.182
【新規】「社会的価値」とは何か p.183
【新規】支配型リーダーシップと支援型リーダーシップ p.184
【新規】支配型リーダーと支援型リーダー p.185
【改訂】100年人生を生きるには学びつつけるしかない p.187
【新規】Input/Outputプロセス p.213
サービス&アプリケーション・先進技術編/IoT
*変更はありません
サービス&アプリケーション・先進技術編/AI
【改訂】コレ1枚でわかる人工知能とロボット p.28
【新規】一般的機械学習とディープラーニングとの違い p.69
【新規】機械学習における3つの学習方法 p.93
【新規】機械学習の活用プロセス p.108
クラウド・コンピューティング編
【新規】異なる文化の2つのクラウド戦略 p.102
サービス&アプリケーション・基本編
*変更はありません
開発と運用編
【新規】ウォーターフォール開発とアジャイル開発の違い その1 p.21
【新規】ウォーターフォール開発とアジャイル開発の違い その2 p.22
【新規】Twelve Factorsとの関係 p.53
【新規】Kubernetes の全体構造 p.54
【新規】エンジニアの役割分担 p.61
ITの歴史と最新のトレンド編
*変更はありません
ITインフラとプラットフォーム編
【新規】「境界防衛」から「ゼロトラスト」へ p.108
テクノロジー・トピックス編
*変更はありません