【図解】コレ一枚でわかるERPの歴史
1960年代に入り、ビジネス用途で使えるコンピューターが、普及しはじめる。当時、業務は、電話や紙の伝票の受け渡しで行われていたが、その業務の流れをコンピューターのプログラムに置き換えようという使い方だ。当時は、個々の業務の現場で使われている紙の伝票の流れに合わせて、プログラムのフローを設計したことから、業務個別に最適化されたシステムが作られていた。
ただ、このようなシステムであっても、電話や伝言、紙の伝票での業務処理に比べれば作業の生産性は劇的に向上したことから、情報システムの開発需要は、どんどん増えてゆく。ただ、当時は、ユーザー企業の情報システム部門が、それぞれ独自に自社の業務に合わせてプログラムを内製するのが普通であったため、この需要に追いつけなくなっていった。
この状況を打開するため、最初から個々の業務に最適化された情報システムを作るのではなく、既に完成し稼働しているプログラムをコピーして、新しい業務に合わせて変更しなければならない部分だけを修正し、需要の増加に応えていたが、それでも完全に業務の流れに対応できないときは、人的な運用で代替することで凌いでいた。
また、1980年代に入り、小型のミニコンピューター(ミニコン)やオフィース・コンピューター(オフコン)、パーソナルコンピュータ(パソコン)が登場する。当時業務システムとして使われていた大型のメインフレームでのシステム開発では要望してもすぐに開発してもらえず、コストも掛かることから、業務部門は、独自にこれら小型のコンピューターを導入し、さらにパッケージ・ソフトウェアを使って個別システムを構築するようになる。
このような取り組みにより、情報システムの適用範囲は拡大していったが、部分最適なシステムが増えたために、業務間の連係がうまく行えなかったり、データの不整合や二重入力といった弊害が増えたりと、いろいろな問題を抱えるようになった。
そんな中で、業務の重複や無駄を廃し、業務の効率化を図りたいという需要が高まってゆく。また、エンロン事件やワールドコム事件のような、大規模な不正が大きな社会問題となったことなどもあり、内部統制への関心も高まっていた。そのために一貫性や完全性が保証されたデータで経営や業務状況を把握したいという需要も増えていった。
そこで、これまで業務個別に最適化され開発されてきた情報システムを全社最適の視点で再構築しようという気運が高る。そこで、全社最適の観点での業務プロセスを再構築し、業務個別に構築されていたマスターデータを全社で統合したデータベースに集約するとともに、その統合化されたデータベースを中核に業務システムを構築する「ERP(Enterprise Resource Planning)システム」が、注目されるようになった。
ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA
LiBRA 2019/1月度版リリース====================
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サービス&アプリケーション・先進技術編/IoT
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サービス&アプリケーション・先進技術編/AI
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ITの歴史と最新のトレンド編
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