説明できない言葉を"知っている"と言うのは無責任
「クラウド・コンピューティングについて知らない人は手を挙げて下さい。」
新入社員研修の冒頭でこんな質問を投げかけた。誰も手を挙げる人はいない。
「では、クラウド・コンピューティングとはなにかを説明して下さい。」
最前列に座っている(いや、座らされてしまった)男性に、説明して欲しいと頼んでみたところ、まともな説明はできなかった。もちろん、彼だけではないだろう。それを受講者全員に告げ、次のような話をした。
「説明できない言葉を"知っている"と言うのは無責任です。社会人となったいま、言葉には責任を持って下さい。あなたの言葉は相手の判断、そして、お金に関わります。知っているという以上、説明できなくては、ビジネスの現場では役に立ちません。そのことを肝に銘じておいて下さい。」
そんな、キツい一発から研修が始まり、どことなく緊張感が高まるのを感じるのは、なかなか気持ちのいいものだ。講義の最中には砕けた話題も提供し、笑いもとるが、今日の自分は何のためにここに居るかに気付いている彼らは、すこし前のめりになっている。
集中の度合いを見極めながら休憩を取り、質疑応答やディスカッションを差し挟み、ツーウェイな講義を演出することも心がけている。冒頭のことで講義への自発的な意識も生まれている。そんな両者が相まって居眠りするものはほとんどいない。
ただ、正直なところ「温度差」は大きい。先日も80人近い受講者を前に講義をおこなったが、この程度であれば、ひとり一人の表情や反応から心の有り様が見て取れる。残念ながら全員が前のめりとはいかない。
それでも、彼らに楽しんでもらえるように内容にも演出にも気を配ってはいる。しかし、「自発的に」そして「貪欲に」学びたいという気持ちを引き出さない限り、言葉は彼らを素通りしてゆく。残念なことだ。
100年寿命の時代となり、彼らの世代は、マルチ・ステージ、パラレル・ステージを生きてゆかなければならない。それは、加速するテクノロジーの進化によって、ひとつのスキルを積み上げるだけでは、機械に置き換えられてしまうからだ。また、社会環境の不確実性はさらに高まり、生き方を切り替えることを余儀なくされるからだ。
多様な価値観に触れ、生きてゆくための選択肢を増やしてゆかなければ、100年寿命をまっとうできないだろう。そのためにも学び続けることが、どれほど大切なのかを伝えたいと思っている。
一事が万事である。この研修で全てを学べるわけではない。しかし、たった1日の研修でさえも、「自発的に」そして「貪欲に」学べないとすれば、後は推して知るべしだ。そんなことも伝えながらの研修は、彼らにとっては「余計なお世話」なのかもしれないが、そんな研修があってもいいのではないかと思っている。
「学び続けなくてはいけない」。この感覚は、ある程度社会経験を積むと、切実なものとなってゆくだろう。それに気付くことの遅い早いは人それぞれ。それでも、いつであっても遅すぎることはない。そんな人たちへの「余計なお世話」が、ITソリューション塾だ。
10月4日(水)から始まる第26期目で10年目を迎えることになる。よく続いたものだと思う。既に2000名ほどの人たちが卒業していった。中には4回も参加している強者もいる。そんな彼らにも「余計なお世話」であり続けてきた。
テクノロジーの進化はビジネスを変革する。当たり前のことなのだが、ITベンダーやSIerであれば、この関係が漠然なままでは、製品やサービスを提案し、あるいは、自社の事業改革やマーケティングに関わっても十分な成果はあげられない。情報システム部門であれば、自分たちの事業を差別化する武器として、ITを活用したいという経営や現場の想いに応えることができない。
「ITでビジネスを変革する」
最新のITでこれまでできなかった何ができるのか。それによって、ユーザーの価値をどのように高められるのか。仕組みを説明するだけではなく、そんなところにも意識している。それが分からなければ、お客様の良き相談相手になることはできない。ましてや古い常識をそのままにお客様の良き相談相手になれるわけもない。
それを自分の生き方にも投影して考えてもらえればと思う。ITソリューション塾は、そんな余計なお世話なのだ。
受付開始!ITソリューション塾・第26期
古い常識をそのままにお客様の良き相談相手にはなりません
- 古い知識のままで、知っているつもりになってはいませんか?
- 新しい言葉を知ってるだけで、知っているつもりにはなっていませんか?
- 説明できないのに、知っているつもりになっていませんか?
「知っているつもりの知識」から「実践で使える知識」に変えてゆく。そんなお手伝いをしたいと思っています。
10月4日(水)より開催される「ITソリューション塾・第26期」の受付を開始致しました。内容も一部変更し、「ITでビジネスを革新する」をテーマに、ビジネスの課題にITをどのように活用してゆけばいいのか、また、情報システム部門やSI事業者は、いまの時代の変化にどのように向きあえばいいのかについても考えてゆきます。
講義で使用する500ページを超える最新のプレゼンテーションは、オリジナルのままロイヤリティ・フリーで提供させて頂けます。お客様への提案、社内の企画資料、イベントでの解説資料、勉強会や研修の教材として、どうぞ自由に活用してください。
第26期 ITソリューション塾
- 日程 2017年10月4日(水)〜12月12日(火) 18:30〜20:30
- 回数 全11回
- 定員 60名
- 会場 アシスト本社/東京・市ヶ谷
- 料金 ¥90,000- (税込み¥97,200) 全期間の参加費と資料・教材を含む
詳しくは、こちらをご覧下さい。
大阪開催決定!新入社員のための最新ITトレンド・1日研修
「お客様の話しに、ついてゆけません。言葉が分からないんです。」
こんな話をする新入社員は少なくありません。もちろん経験のない彼らが仕事をうまくこなせないのは当然のことです。しかし、「言葉が分からない」というのは別の問題です。
IoT、AI、クラウドなどのキーワードは、ビジネスの現場では当たり前に飛び交っています。しかし、新入社員研修ではITの基礎やプログラミングは教えても、このような最新ITトレンドについて教えることなく現場に送り出されてしまいます。そのため、お客様が何を話しているのか分からないままに、曖昧な応対しかできず、自信を無くしてしまう、外に出るのが怖いなどの不安をいだいている新入社員も少なくないようです。
そんな彼らに、ITの最新トレンドを教え、ITがもたらす未来への期待、そこに関わることへの誇りを持てるようにと企画しました。
参加費が1万円なら、懐の寂しくても自腹で参加できるはずです。また、既に新入社員研修の予算を使い切った企業でも、何とかやりくりして頂けるのではないでしょうか。そんな想いで、この金額にしてみました。また、100ページを超えるテキストは、パワーポイントのままでロイヤリティフリーで提供させて頂きます。
*大阪での開催のご希望が多数寄せられたこともあり、大阪でも開催させて頂くこととなりました。
実施内容
- 日時:下記日程のいずれか1日間(どちらも同じ内容です)
- 【東京・第2回】9月04日(月)10:00〜17:00
- 【大阪】 9月07日(木)10:00〜17:00 *追加*
- *昼休み1時間、休憩随時
- 東京会場:株式会社アシスト・本社1階セミナールーム/市ヶ谷
- 大阪会場:株式会社アシスト・大阪セミナールーム/グランフロントタワーA
- 定員:50名/回
- 費用:1万円(税込10,800円)
- 新入社員以外(例えば、他業界からIT業界に転職された方や人材開発・研修担当の方)で参加されたい場合は、3万8千円(税込 41,040円)でご参加いただけます。
- 内容:
- ITビジネスの歴史と最新トレンド
- クラウド・コンピューティング
- ITインフラと仮想化
- サイバーセキュリティ
- IoT
- AIとロボット
- アジャイル開発とDevOps
- これからのITとITビジネス
詳しくはこちらをご覧下さい。
最新版(7月度)をリリースしました!
ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA
最新版【2017年7月】をリリースいたしました。
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今月度は、AIとIoTを中心に大幅に資料を追加しています
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ビジネス戦略編
【新規】3つのIT:従来のIT/シャドーIT/バイモーダルIT p.23
サービス&アプリケーション・先進技術編/人工知能とロボット
【新規】IoTとAIの一般的理解と本当のところ p.4
【新規】人工知能の3つの役割と人間の進化 p.12
【新規】自動化から自律化への進化 p.16
【新規】スマートマシンの必要性 p.16
【新規】人工知能のロボットへの実装 p.24
【新規】専門家と人工知能 p.26
【新規】人工知能は知的望遠鏡 p.27
【新規】ITと人間の関係の変遷 p.33
【新規】これまでの学習とディープラーニング p.42
【新規】ルールベースと機械学習 p.43
サービス&アプリケーション・先進技術編/IoT
【新規】IoTとAIの一般的理解と本当のところ p.15
【新規】従来のやり方とIoTの違い p.18
【新規】LPWAとは p.51
クラウド・コンピューティング編
変更はありません
サービス&アプリケーション・基本編
【新規】ERPシステム/パッケージとクラウドでの利用形態 p.11
【新規】SOAの狙いと成果 p.27
開発と運用編
【更新】ウォーターフォール開発とアジャイル開発 p.17
インフラ&プラットフォーム編
【新規】認証基盤 p.117-118
【新規】認証に関わる課題 p.119
【新規】シングルサインオンとフェデレーション p.120
【新規】Apache Spark p.179
トピックス編
変更はありません
ITの歴史と最新のトレンド編
変更はありません