営業の目指すべきは「お客様の教師」になること
「お客様の教師になることです。」
ITソリューション塾・第24期が、今週水曜日に終了した。その最後の懇親会で、IT営業の目指すべき「あるべき姿」とは何かと問われ、私は迷わずこのように答えた。
このITソリューション塾には、毎期60名から80名ほどの受講者が参加、11週にわたりにITの最新トレンドやビジネス戦略について学んでゆく。講師には、サイバーセキュリティやDevOps/アジャイル開発の最前線で関わる人たちもいて、概念や理論だけではなくビジネスでの実践に重きを置いて話をして頂いている。
また、毎期主催者の趣味で講師をお願いしている第11回目の最終補講には、今期、日本マイクロソフトのアーキテクトである真壁徹さんに登壇頂き「ITインフラの未来と現実」について話をして頂いた。これまでも、「IoT時代のサイバーセキュリティ」や「ビジネス・ドローン最前線」など、私が是非とも話しを聞いてみたい講師にお願いをしているが、流石最前線でご苦労されている人たちであり、現実的で実践的だ。そんな、体験を共感し、自分たちのビジネスに重ね合わせることで危機感を実感し、何をすべきかを具体的にイメージしていだくことをモットーとしている。
この業界にいると、日々様々な言葉が降り注いでくる。そして、知らず知らずのうちに「言葉を知っていること」が自分の知識であると勘違いをしてしまうことがある。例えば、新入社員研修の講義の冒頭、「クラウドを知らない人は手を挙げて下さい」と質問すると、手を挙げるひとはひとりもいない。そこで、指名して説明を求めるとまともに説明できる人は誰もいない。流石に現場に長くいる人たちはここまでは極端では無いけれども、IoTやAIとなると新入社員と大差はないし、「仮想化」という自分たちのビジネスの重要なキーワードであっても、その仕組みや本質が理解できないまま「言葉は知っているがうまく説明できない」人も少なからずいる。
「説明できないのに知っているというのは社会人として無責任な発言だ。」
新入社員たちにはそんなことを話し、自分の言葉に責任を持つことの大切さに気付いてもらおうとしている。
言葉を知っていることと、その意味や用途を知っていることとでは、「知っている」の価値は違う。しかし、「知っている」だけではビジネスとしての価値を生みださない。知らない人にわかりやすく「説明できる」やお客様の課題解決やその提案に「使える」ことができて、言葉は武器になる。そして、お客様の相談に対して、「使える」知識を駆使して、答えることができる能力を持つことができて、ビジネス上の価値になる。そうなれば、売り込まなくても売れる。IT営業の目指すべき「あるべき姿」とは「お客様の教師になること」とは、そういう意味で使っている。
ITソリューション塾が目指していることは、そんな人たちを少しでも増やしたいからだ。
「知っているだけの知識」から「説明できる知識」へ、そして「実践で使える知識」へと変えてゆく
特に営業に関わる者にとっては、これこそが営業力の本質であると理解すべきだろう。交渉術や事務処理能力も大切ではあるが、お客様に物事の本質をわかりやすく伝え、お客様が自分で自分たちの幸せを手にできるよう、お客様を成長させてゆく。そのために自分の「使える知識」を駆使して、お客様を導き、お客様の可能性を切り拓くことが、教師であり、営業の使命でもある。
自分はそんな教師としての役割を果たすに十分な知識を備えているだろうか。そのために、自分は日々の務めを怠ってはいないだろうか。そんな問いかけを忘れないようにすることが、良きIT営業になるための基本だと思う。
【受付開始】ITソリューション塾・東京/大阪/福岡
「IoTやAIで何かできないのか?」
「アジャイル開発やDevOpsでどんなビジネスができるのか?」
「うちの新規事業は、なぜなかなか成果を上げられないのか?」
あなたは、この問いかけに応えられるでしょうか。
「生産性向上やコスト削減」から、「差別化の武器としてビジネスの成果に貢献」することへとITは役割の重心を移しつつあります。そうなれば、相手にするお客様は変わり、お客様との関係が変わり、提案の方法も変わります。そんな時代の変化に向き合うためのお手伝いをしたいと思っています。
東京での開催は5月16日(火)からに決まりました。また、大阪では5月22日(月)からとなります。さらに福岡は7月11日(火)からを予定しています。
詳細日程や正式なお申し込みにつきましては、こちらをご覧下さい。
ITソリューション塾では、IoTやAI、クラウドといったテクノロジーの最前線を整理してお伝えすることはもちろんのこと、ビジネスの実践につなげるための方法についても、これまでにも増して充実させてゆきます。
また、アジャイル開発やDevOps、それを支えるテクノロジーは、もはや避けて通れない現実です。その基本をしっかりとお伝えするよていです。また、IoTやモバイルの時代となり、サイバー・セキュリティはこれまでのやり方では対応できません。改めてセキュリティの原理原則に立ち返り、どのような考え方や取り組みが必要なのか、やはりこの分野の第一人者にご講義頂く予定です。
2009年から今年で8年目となる「ITソリューション塾」ですが、
「自社製品のことは説明できても世の中の常識は分からない」
当時、SI事業者やITベンダーの人材育成や事業開発のコンサルティングに関わる中、このような人たちが少なくないことに憂いを感じていました。また、自分たちの製品やサービスの機能や性能を説明できても、お客様の経営や事業のどのような課題を解決してくれるのかを説明できないのままに、成果をあげられない営業の方たちも数多くみてきました。
このようなことでは、SI事業者やITベンダーはいつまで経っても「業者」に留まり、お客様のよき相談相手にはなれません。この状況を少しでも変えてゆきたいと始めたのがきっかけで、既に1500名を超える皆さんが卒業されています。
ITのキーワードを辞書のように知っているだけでは使いもものにはなりません。お客様のビジネスや自社の戦略に結びつけてゆくためには、テクノロジーのトレンドを大きな物語や地図として捉えることです。そういう物語や地図の中に、自分たちのビジネスを位置付けてみることで、自分たちの価値や弱点が見えてきます。そして、お客様に説得力ある言葉を語れるようになるのだと思います。
ITソリューション塾は、その地図や物語をお伝えすることが目的です。
ご参加をご検討頂ければと願っております。
最新版(4月度)をリリースしました!
ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA
新入社員のための「最新トレンドの教科書」も掲載しています。
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*クラウドについてのプレゼンテーションをインフラ編から独立させました。
*使いやすさを考慮してページ構成を変更しました。
*2017年度新入社員研修のための最新ITトレンドを更新しました。
*新しい講演資料を追加しました。
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クラウド・コンピューティング (111ページ)
*「インフラとプラットフォーム編」より分離独立
【新規】クラウドによるコスト改善例 p101-108
開発と運用(68ページ)
【新規】管理運用の範囲 p.37
【新規】サーバーレスの仕組み p.40
インフラとプラットフォーム(211ページ)
*クラウドに関する記述を分離独立
【新規】多様化するデータベース p.127
【新規】クラウドデータベース p.156-158
IoT(101ページ)
【新規】IoTはテクノロジーではなくビジネス・フレームワーク p.16
【新規】LPWA主要3方式の比較 p.52
人工知能(103ページ)
【新規】自動化と自律化が目指す方向 p.14
【新規】操作の無意識化と利用者の拡大 p.21
【新規】自動化・自律化によってもたらされる進歩・進化 p.22
テクノロジー・トピックス (51ページ)
【新規】RPA(Robotics Process Automation) p.17
サービス&アプリケーション・基本編 (50ページ)
*変更はありません
ビジネス戦略(110ページ)
*変更はありません
ITの歴史と最新のトレンド(14ページ)
*変更はありません
【新入社員研修】最新のITトレンド
*2017年度版に改訂しました
【講演資料】アウトプットし続ける技術〜毎日書くためのマインドセットとスキルセット
女性のための勉強会での講演資料
実施日: 2017年3月14日
実施時間: 60分
対象者:ITに関わる仕事をしている人たち
【講演資料】ITを知らない人にITを伝える技術
拙著「未来を味方にする技術」出版記念イベント
実施日: 2017年3月27日
実施時間: 30分
対象者:ITに関わる仕事をしている人たち
詳しくはこちらから
新刊書籍のご紹介
未来を味方にする技術
これからのビジネスを創るITの基礎の基礎
- ITの専門家ではない経営者や事業部門の皆さんに、ITの役割や価値、ITとの付き合い方を伝えたい!
- ITで変わる未来や新しい常識を、具体的な事例を通じて知って欲しい!
- お客様とベンダーが同じ方向を向いて、新たな価値を共創して欲しい!
斎藤昌義 著
四六判/264ページ
定価(本体1,580円+税)
ISBN 978-4-7741-8647-4Amazonで購入
人工知能、IoT、FinTech(フィンテック)、シェアリングエコノミ― 、bot(ボット)、農業IT、マーケティングオートメーション・・・ そんな先端事例から"あたらしい常識" の作り方が見えてくる。