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【図解】コレ1枚でわかるモバイル・デバイスの歴史

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モバイルデバイスの誕生

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現在のモバイル・デバイス誕生前から、携帯型デバイス開発の試みは行われていました。

1990年代後半、Windowsパソコンが普及をはじめ、企業や一般家庭でパソコンに触れる機会が増えてくると、移動中や出先でもスケジュールやメールなどにアクセスしたい、という要求が出てきました。当時はノートパソコンと呼ばれるものは無く、ポータブルやラップトップ(膝の上)パソコンなどと呼ばれていましたが、これはいまとは比べものにならないくらいに巨大で重く、バッテリーの持続時間も限られていました。そこで、パソコンの機能を補完するためのポケットに入る電子デバイスがいろいろと考案されました。PDA (Personal Digital Assistance) や電子手帳などと呼ばれるデバイスです。しかし、当時の非力な計算能力と限られた記憶容量では快適な操作性は望めず、非常に限定された機能しか使えませんでした。

米国で生まれたPDAがパソコンの機能を小型化しようとして苦心していた頃、欧州と日本では携帯電話の高機能化が進められていました。欧州ではこの頃、初期のスマートフォンが開発されましたが、非常に高価でパソコンとの連携も制限が多く、広くは普及しませんでした。

一方、日本では独自のデバイスが生まれ進化してゆきました。iモードに代表される「ガラパゴスケータイ」です。世界情勢と別の進化をしたことで「ガラパゴス」と呼ばれていますが、実態としては現在のスマートフォンの特徴を先取りした先進的なデバイスだったのです。ガラケーの最大の特徴は、docomoやauなどの通信キャリアがデバイスの開発からサービス提供までをトータルで設計し、コンピュータの知識の無い一般のユーザーでも使えるよう徹底したUX(ユーザー体験)を追求したことです。

iPhoneの成功とその理由

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初代iPhoneが発表されたのは2007年です。発表時の製品紹介は、「Phone+iPod+Internet」でした。当時既に世界を席巻していた携帯音楽プレイヤーiPodに電話機能とデータ通信機能を統合したということです。考えてみればシンプルなコンセプトですが、初期の携帯型デバイスやスマートフォンが失敗していた欧米に与えたインパクトは大きく、現在のiPhoneの状況をみればそれは明らかです。ただし、日本だけは状況が違っていました。2007年当時、日本のガラパゴス携帯(ガラケー)は、既に携帯電話に音楽プレイヤーを内蔵し、インターネットへの接続もできていたのです。日本でのiPhoneの発売は2008年ですが、当時「TVを見ることもできず、お財布ケータイも使えないiPhoneなど、誰も使わないだろう」とまで言われていました。結果は皆さんもご存じの通りですが、最初は出荷が伸びず苦労したようです。

世界的に見てiPhoneが成功したのは、通信インフラの充実など、1990年代とは技術的な背景が大きく違ったためと、AppleがUXに徹底的に拘ったためと言えるでしょう。

Appleは創業以来UX重視の姿勢を貫いており、iPodや音楽データを管理するiTunesの使い勝手の良さは、既に広く受け入れられており、パソコン操作に不慣れなユーザーでも簡単に操作できる環境が整っていたのです。また、携帯電話網の高速化により、音楽やアプリのダウンロード、あるいは、ソーシャルメディアへの写真投稿などが素早く、快適にできるようになっていたことも成功の要因といえるでしょう。

iPhone発売の翌年、GoogleのAndroidを搭載したスマートフォンが市場に投入されました。iPhoneとAndroidは、それまでの携帯型デバイス・携帯電話の概念を塗り替え市場に受け入れられました。続いてAppleは2010年にiPadを発表し、新たな時代を切り開いたのです。

【募集開始】ITソリューション塾・第24期

ITソリューション塾・第24期を2月8日(水)から開催します。第24期は、IoTやAIのビジネス戦略にも一層切り込んでみようと思っています。また、情報セキュリティの基本やDevOpsの実践についても、それぞれの第一人者から学びます。多くの皆様のご参加をお待ちしています。

  • 会場 : アシスト株式会社・本社@市ヶ谷
  • 日程:2月8日(水)〜4月26日(水)の毎週1回×11回 *但し、3月最終週は休みとなります。
  • 時間:18:30〜20:30
  • 定員:80名(前回参加者 84名)

お願い

  • 毎期早い段階で定員に達しています。手続き等で時間はかかるが、参加のご意向をお持ちの場合は、事前にメールにて、その旨をお知らせください。
  • 個人でのご参加の場合は、消費税分を割り引かせて頂きます。
  • 今回の期間は、予算期を跨ぐところもあるかと思いますが、今期または来期のいずれか、または、両期に分けて支払いという場合は、個別にお知らせください。

詳細のご案内、および、スケジュールのPDFダウンロードは、こちらをご覧下さい。

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2017年1月 最新の改訂版をリリースしました!

ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA

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*「コレ1枚でわかる最新ITトレンド(2017年度版)」を新規に作成しました。
*先進技術編では、解説を大幅に追加、刷新し、新たなチャートも追加しています。
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【インフラ&プラットフォーム】(293ページ)

【更新】コンテナ型仮想化・改訂版の解説を改訂しました p.175
【新規】SD-WAN p.184

【ITの歴史と最新トレンド】(14ページ)

*これからのビジネスを考える参考となるよう、「コレ1枚でわかる最新ITトレンド(2017年度版)」を新規に作成しました。

【更新】デジタル化の歴史の解説を追加しました
【新規】コレ1枚でわかる最新ITトレンド(2017年度版)を新規に追加し、解説も加えました。

【サービス&アプリケーション・基本編】

*運用と開発のプレゼンテーションが増えたことから、基本編と運用と開発編に分割しました。

基本編(50ページ)
 変更はありません

開発と運用編(64ページ)

【更新】これからのシステム開発のチャートを改訂し、解説を追加しました p.5
【更新】DevOpsとは何か?の解説を追加しました p.19
【新規】仮想マシンとコンテナの稼働率 p.74-77
【更新】DevOpsとコンテナ管理ソフトウェアの解説を改訂しました p.78
【新規】FaaS(Function as a Service) p.79

【テクノロジー・トピックス】(49ページ)
 変更はありません

【サービス&アプリケーション・先進技術編】

IoT(92ページ)

【更新】IoTとM2Mの解説を追加しました p.7
【更新】IoTの定義の解説を改訂しました p.15
【更新】コレ1枚でわかるIoTのチャートと解説を改訂しました p.18
【更新】デジタル・ツインの解説を改訂しました p.23
【更新】モノのサービス化の解説を改訂しました p36
【更新】ビジネス価値の進化の解説を改訂しました p.38
【更新】IoTと機能と役割の4段階の解説を改訂しました p.41
【更新】クラウドから超分散への解説を改訂しました p.46

人工知能(93ページ)

【新規】コレ1枚でわかる人工知能とロボットの新たなチャートを追加し解説を載せました p.9
【更新】産業発展の歴史から見る人工知能の位置付けの解説を改訂しました p.317
【新規】ディープラーニングが注目される理由の新しいチャートと解説を追加しました p.24
【新規】弱いAIと強いAIについて、新しいチャートと解説を追加しました p.32
【更新】人工知能に置き換えられる職業について、解説を追加しました p.64

詳しくはこちらから

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