iPhone発表の前にスマートフォンのルーツを考えてみませんか(第32回)
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モバイルを愛していますか?モバイル情報ブロガーの伊藤浩一です。
趣味に没頭してくると、何故かルーツを探りたくなります。解りやすいのが音楽でしょうか。学生時代に、Van Halenが好きになると、ギターサウンドのルーツを求めて、アメリカンロック、ヘビーメタル、ハードロック、フュージョン、ジャズ、フラメンコ、クラシック、とどんどん深みへハマってしまいました。いろいろ聞いて、最後は元に戻ってしまい、自分にとってのベストアルバムはVan Halenの「1984」であり、スーパーギタートリオの「Friday Night In San Francisco」になっています。
急にモバイルと関係のない話で始まってしまいましたが、スマートフォンも使い始めるとルーツを知りたくなってしまいます。というより、スマートフォンが生まれた時代を一緒に生きているので、自分なりに時系列にまとめる、ということでしょうか。
スマートフォンのルーツの話は、ユーザーによって解釈はマチマチです。自分で使ってきた端末の経験や、自分の住んでいた国の事情で大きく変わってきているからです。その様々な流れが、現在、iPhoneとAndroidという大きな流れに飲み込まれつつある、というのが現状でしょうか。
日本におけるスマートフォンのルーツは何でしょうか。通話しかできない携帯電話にネットやメールなどのインターネット機能、ゲームや音楽などのマルチメディア機能という多機能携帯電話がスマートフォンである、という定義がありました。しかし、そうなると、iモード以降の携帯電話はまさにスマートフォンであるはずですが、残念ながらガラパゴス携帯と呼ばれてしまい、スマートフォンである、という認識はされないままになっています。
日本におけるスマートフォンは、各メーカーからいろいろな形でチャレンジはありましたが、私にとって最初のスマートフォンと感じられるのは、2005年12月にウィルコムから発売されたW-ZERO3でした。
W-ZERO3のルーツを辿ると、シャープ製ということもあり、PDAのザウルスシリーズとなるでしょうか。ウィルコムの開発の方に聞いたときのお話では、ザウルスような機能を持つ端末にウィルコムのW-SIMを搭載したい、というところから開発が始まった、とお聞きしています。
またW-ZERO3の別のルーツとしては、Windows MobileというOSを搭載していることもあり、Windows MobileのPDA、それ以前であれば、Pocket PC、Palm-size PC、Windows CEとOSを遡ることになります。これらのOSは、当時人気だったPalm OSの存在を意識しながら進化したので、Palmの存在も重要な部分となります。
そのPalm製のスマートフォンと言えば、当時海外で発売されていたミニキーボード搭載のスマートフォン、Treoシリーズですが、海外で人気となっていたため、W-ZERO3は当然意識はしていたと思われます。海外端末ということであれば、スライド型キーボードを搭載していたシャープが当時開発していたメッセンジャー端末「Sidekick」に通じる部分もあるかもしれません。ウィルコムから発売ということを考えると、通信定額というプランで投入したPHS「京ぽん」の成功も、W-ZERO3投入にとっては大きなエポックメイキングな出来事でしょう。
端末だけではなく、通信会社による通信事情も端末の進歩に大きく関わってきます。PHS、3G、LTEなど、通信速度の進歩と、端末の処理速度、バッテリー時間の維持など、平行しながら端末は進化してきました。また、通信料金に関しても、ユーザーにとっては大きな問題で、始めはスマートフォンには優遇されていなかった通信料金プランも、現在はスマートフォン向けに定額プランが用意されていますが、通信データ量の増大により上限を設けるプランも多くなってきています。
今使っている端末が、どんな歴史を辿り、ルーツを探る作業は、今後、どんな進歩を遂げるかを考察する上で大切な作業となります。みなさんも、ご自身が使っている端末が、どんな背景で生まれたのか、一度探ってみてはいかがでしょうか。
趣味に没頭してくると、何故かルーツを探りたくなります。解りやすいのが音楽でしょうか。学生時代に、Van Halenが好きになると、ギターサウンドのルーツを求めて、アメリカンロック、ヘビーメタル、ハードロック、フュージョン、ジャズ、フラメンコ、クラシック、とどんどん深みへハマってしまいました。いろいろ聞いて、最後は元に戻ってしまい、自分にとってのベストアルバムはVan Halenの「1984」であり、スーパーギタートリオの「Friday Night In San Francisco」になっています。
急にモバイルと関係のない話で始まってしまいましたが、スマートフォンも使い始めるとルーツを知りたくなってしまいます。というより、スマートフォンが生まれた時代を一緒に生きているので、自分なりに時系列にまとめる、ということでしょうか。
スマートフォンのルーツの話は、ユーザーによって解釈はマチマチです。自分で使ってきた端末の経験や、自分の住んでいた国の事情で大きく変わってきているからです。その様々な流れが、現在、iPhoneとAndroidという大きな流れに飲み込まれつつある、というのが現状でしょうか。
日本におけるスマートフォンのルーツは何でしょうか。通話しかできない携帯電話にネットやメールなどのインターネット機能、ゲームや音楽などのマルチメディア機能という多機能携帯電話がスマートフォンである、という定義がありました。しかし、そうなると、iモード以降の携帯電話はまさにスマートフォンであるはずですが、残念ながらガラパゴス携帯と呼ばれてしまい、スマートフォンである、という認識はされないままになっています。
日本におけるスマートフォンは、各メーカーからいろいろな形でチャレンジはありましたが、私にとって最初のスマートフォンと感じられるのは、2005年12月にウィルコムから発売されたW-ZERO3でした。
W-ZERO3のルーツを辿ると、シャープ製ということもあり、PDAのザウルスシリーズとなるでしょうか。ウィルコムの開発の方に聞いたときのお話では、ザウルスような機能を持つ端末にウィルコムのW-SIMを搭載したい、というところから開発が始まった、とお聞きしています。
またW-ZERO3の別のルーツとしては、Windows MobileというOSを搭載していることもあり、Windows MobileのPDA、それ以前であれば、Pocket PC、Palm-size PC、Windows CEとOSを遡ることになります。これらのOSは、当時人気だったPalm OSの存在を意識しながら進化したので、Palmの存在も重要な部分となります。
そのPalm製のスマートフォンと言えば、当時海外で発売されていたミニキーボード搭載のスマートフォン、Treoシリーズですが、海外で人気となっていたため、W-ZERO3は当然意識はしていたと思われます。海外端末ということであれば、スライド型キーボードを搭載していたシャープが当時開発していたメッセンジャー端末「Sidekick」に通じる部分もあるかもしれません。ウィルコムから発売ということを考えると、通信定額というプランで投入したPHS「京ぽん」の成功も、W-ZERO3投入にとっては大きなエポックメイキングな出来事でしょう。
端末だけではなく、通信会社による通信事情も端末の進歩に大きく関わってきます。PHS、3G、LTEなど、通信速度の進歩と、端末の処理速度、バッテリー時間の維持など、平行しながら端末は進化してきました。また、通信料金に関しても、ユーザーにとっては大きな問題で、始めはスマートフォンには優遇されていなかった通信料金プランも、現在はスマートフォン向けに定額プランが用意されていますが、通信データ量の増大により上限を設けるプランも多くなってきています。
今使っている端末が、どんな歴史を辿り、ルーツを探る作業は、今後、どんな進歩を遂げるかを考察する上で大切な作業となります。みなさんも、ご自身が使っている端末が、どんな背景で生まれたのか、一度探ってみてはいかがでしょうか。
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