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あらゆるデバイスから利用できるアプリケーション環境の構築

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こんにちは。春一番は花粉との開戦を告げる狼煙としか感じられない松井です。

花粉の飛散で悲惨な日々、あーいぇー おーいぇー。

さて。。。

前回説明した方法で、会社の資産に対するアクセス環境は構築できます。しかし、資産を活用するためのアプリケーション環境には問題が残っています。例えばMicrosoft Officeのファイルを編集するといった場合に、データにアクセスするにはWindows、またはMacからファイルサーバーを閲覧する必要があります。 

もし、手元にiPhoneやiPadといったようなモバイル デバイスしかない場合、どうやってファイルの編集を行うのでしょうか。 

そのような、モバイル デバイスからのアクセスや必要なソフトウェアがインストールされていないPCから利用する場合に役立つのが「アプリケーションの仮想化」です。 

これを実現するためにはWindowsのリモート デスクトップやCitrixのXenAppという機能を利用します。 

これらの機能で実現できること、それは、事務所にあるWindows PCやサーバーにインストールされているアプリケーションを遠隔操作することです。この方法であれば手元のPCにソフトウェアがインストールされていない、モバイル デバイスしか手元にないといった状況にも対応できます。 

アプリケーションの仮想化をおこなっておけば、手元のデバイスに専用のクライアント ソフトウェアをインストールするだけで会社のアプリケーションや情報資産を通常通りに使用することができるようになります。そして、そのためのクライアント ソフトウェアは大抵の場合インターネットから無料で入手することができます。

また、アプリケーションのリモート操作でやり取りされるデータは非常に軽いため、モバイル回線でも無理なく利用することができます。サーバーとやり取りするデータは端末の操作情報とアプリケーションが表示する画像のみです。 

アプリ仮想化イメージ 

アプリケーションを仮想化するためには別途ライセンスが必要になります。リモート デスクトップサービスであれば1万5千円前後、Citrix XenAppだと6万円程度からといった額になります。決して負担は軽くないのですが、災害時だけでなく、交通機関の麻痺やパンデミックにも活用できますし、出張先からデータを安全に閲覧することもできます。応用の幅が広いので一度検討してみるとよいでしょう。 

おわりに

ここまで5回にわたり、災害対策のための環境構築についてお話ししてきました。ここでお話しした以外にも方法はありますので何かしらの対策というのはとっておいたほうがよいでしょう。 

とはいえ、災害というのはいつやってくるかわかりません。もしかしたらやってこないかもしれません。そのため、どうしても対策が後回しになってしまいがちです。 

しかし、実際に不測の事態が起こった場合の損失を考えれば、いち早く対策を講じておくことが必要ではないかと思います。こうした環境を実現するための方法を選ぶ際、普段の業務にも役立つことも判断基準に入れておくと、コストに対する価値が高まるでしょう。

災害は起こってからでは対策のしようがありません。自社の状況や対策のコスト、今後考えられる災害による損失などを、今一度真剣に考えてみてはいかがでしょうか。

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