IT企業のリストラとイノベーションの関係
先週、Ciscoが、リストラに伴う大規模なコスト削減の計画を発表した。今回のリストラは、前のブログで書きましたが新しいCEOが着任し新しい戦略を打ち出していた(http://blogs.itmedia.co.jp/it_backstage/2016/08/ciscosystems.html)ので、市場でも事前に予測されていました。
Cisco confirms it will cut up to 5,500 jobs, or 7% of its global workforce (https://techcrunch.com/2016/08/17/cisco-confirms-it-will-cut-up-to-5500-jobs-or-7-of-its-global-workforce/)
日本企業だと、経営難でもない限り、このような大規模な人材削減は考えにくいのですが、グローバルなIT企業では経営方針の転換による人材削減は、実はよくあることです。
例えば、
Microsoftとか、
https://techcrunch.com/2014/10/29/microsoft-fires-another-set-of-employees-continuing-its-announced-layoff-strategy/
Vmwareとか、
https://techcrunch.com/2016/01/26/vmware-confirms-layoffs-in-earnings-statement-as-it-prepares-for-dell-acquisition/
のように、経営に問題のない企業でも、レイオフを行うことはよくあります。働いている従業員にとっては、たまったものではないのですが、、
これには下記のようなUS企業の経営やUSでの働き方の違いが背景にあると思います。
1.グローバルIT企業の経営
日本では人事部が強い力を持っていますが、グローバルなIT企業では各部門が予算と人事権を持っていて人材採用を行います。そのため、会社の戦略転換で、ある事業部を廃止するとなると、その事業部の人材もレイオフの対象となることが多いです。もちろん、社内で他の部に異動することも可能ですが、他の部に採用されるかどうかは確実ではありません。
そのため、今回のCiscoの例のように、CEOが変わったりすると、経営陣も一新されたり部門の統廃合が行われ、それに伴う人材削減を行うことは多々あります。
2. シリコンバレーでの働き方
シリコンバレーで働いている人々は、終身雇用という意識はないため、常に転職を意識して仕事をしていますし、シリコンバレーでは転職マーケットは活発で売り手市場です。特にソフトウェアエンジニアであれば、すぐに高給で仕事に就くことができると思います。
もちろん、収入がなくなることは痛いので、数ヶ月分の蓄えは必要となりますが。
シリコンバレーの優位性は、エンジェル投資家やベンチャーキャピタルからの投資が旺盛で資金の流動性があること、世界中から優秀なエンジニアが集まってきていること、がよく言われますが、
私は、これらに加えて、(安定していないので)前線で否応なしに鍛えられる逞しさ、したたかさも、強みの一つではないかと思ってます。