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新CiscoSystemsのストラテジー

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CiscoSystemsといえば、ネットワーク機器では並ぶ相手の居ない大企業ですが、CiscoLiveで新CEOのChuckRobbinsが、ハードウェア販売から、ハードウェア、ソフトウェア、クラウドサービス販売にビジネスモデルをシフトさせていくと発言しており(http://www.lightreading.com/iot/iot-strategies/ciscos-robbins-with-iot-and-cloud-services-beat-products/d/d-id/724680?)、IOTやクラウドサービスなどの新しい分野を確立していく事が予想されます。

元々、ルータ、スイッチ分野ではトップシェア(もちろん現在も)のCiscoですが、次の2つの理由から、変化をし続けていく必要性があります。

1. ルータ、スイッチなどのネットワーク機器のコモディティ化による、競争激化、競争激化。
2. 株主、マーケットからの成長へのプレッシャー

ご存知の方も多いと思いますが、このような背景から、Ciscoは数多くのM&Aや自社開発などにより、数年前から新しい分野に参入しマーケットシェアを確立することに成功しています。

新しく参入して成功したマーケットとしては大きく2つあります。

1つ目は、コラボレーション事業です。
2007年、2009年にはビデオ会議関連の大手、WebExCommunicatins社、TANDBERG社を買収し、コラボレーション事業で4000億円程の売り上げを上げるに至っています。

2つ目は、サーバ事業です。
2010年にはCiscoUCS(UnifiedCommputingSystem)と称したプラットフォームを発表しサーバ分野に進出し、ブレードサーバーではヒューレット・パッカードに次ぐ世界2位のシェアを占め、こちらも4000億円近い売り上げ規模に達しています。個人的に、サーバ事業は成熟産業だと思っていたため、Ciscoがここまでのシェアを獲得するとは、実は予想もしていませんでした。

現在、Ciscoは、新たにクラウドサービスを立ち上げたり、IOT事業会社であるJapserの買収を行い、新たな成長分野へのシフトをはかっています。今までの事業拡大は、ハードウェア販売の延長線だったと言えますが、これから進出しようとしている領域は、サービスを提供する異なるビジネスモデルへの転換だと言えると思います。

この領域になると、クラウド事業者やIOT事業者など新たな競合との戦いになるため、Ciscoの新しい経営陣が今後どのように舵取りをしていくか面白いですね。
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