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風が吹けば桶屋がもうかるではなく

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前回簿記がお勧めですって話だったのですが、
簿記=会計が分かると、財務諸表(B/S, P/L)が理解できるようになります。財務諸表の理解については、本屋さんでは必ずと言っていいほど何冊か平積みにされているので、ご覧になった方も多いのではないかと思います。

企業の経営を診断する場合にもよく財務諸表などの会計データを用いる場合があります。ただ、会計データを使った分析は有効な場合も少なくないのですが、万能ではありません。

つまり、風が吹けば桶屋がもうかるとすると、桶屋が儲かったことが分かるのですが、どうすればもっと儲かるか、なぜ儲けていないのかが会計データから読み解くことはなかなか難しいことがあります。売上を伸ばしたいといっても、会計データは基本的には売上計上からの世界なので、どうやって売上を伸ばすかを教えてくれるわけではありません。

今後、景気が悪くなっていく中で、自社の業務プロセスを再度点検し、より効率化し、コストを削減していくことを検討されている経営者も多いと思いますが、自社の業務活動を関連性とデータ(数値)で理解できている企業は強いのではないかと思います。

私はSFA(Sales Force Automation)のSaaSサービスを提供している関係から営業力のある社長様とお会いする機会が多いのですが、自社の強みと弱みを理解して、どうすれば(つまりどの数値をどれだけ上げれば)自社の売上にどれだけ貢献できるかをよく考えられている方にお会いすると、やはり強い会社だなと思いますし、その関連性や考え方は非常に参考になります。

営業面で言うと、売上の先行指標となるような数値となり、商品別の商談受注率、商談発生推移、受注(失注)率、引合いからの商談化率、引合い発生推移等になるでしょうか。

精神論ではなかなか売上が伸びない時代になってきているとすると、「風が吹けば桶屋が儲かる」ではなく、より具体的なデータで自社の業務プロセスを分析して、問題がある場合には、なるべく早くに、施策(活動)へと落とし込むことが、今後より重要になってくるんだと思います。

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