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クラウド戦役をZガンダム視点でわかりやすく解説するブログ+時々書評。

連邦の勝利を約束する強い味方とは?ガンダムユニコーン第1話のクラウド戦役的解釈

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ガンダムユニコーン第1話「ユニコーンの日」はすでにご覧になっただろうか?
「まだ」の方、ここから先はネタバレ的要素を含むので、読み進める前にまず作品を
見られることを強くお勧めする。戦闘シーンの作画は細部に至るまでかなり気合いが
入っているので環境のある方はBlueRay版の方がよいだろう。(DVD版もある)
※アフィリエイト狙いの記事ではない、素直にファンとして見て欲しい想いの表れ。念のため

さて、ガンダムユニコーンについては以前ガンダムエース連載の小説版最終回を
迎えたタイミングで一度ブログに掲載
しているが、宇宙世紀0096年、すなわち、
ジオン公国軍vs地球連邦軍の1年戦争から17年、シャアの反乱から3年後を舞台に、
「ラプラスの箱」と呼ばれる宇宙世紀移行以来、百年にわたって隠され続けてきた
謎を解き明かすストーリー。

今回取り上げるのは、ラプラスの箱を秘匿し続けてきたビスト財団の当主
カーディアス・ビストと、ジオン系勢力「袖付き」の偽装輸送艦ガランシェールのキャプテン
ジンネマンの対話。ビスト財団の屋敷内における二人の会話を振り返ってみたい。

カ)キャプテンはニュータイプの存在を信じておられるかな?

ジ)戦場にいればそうとしか説明できない力を感じたことがありますが。

カ)力…、身をもって感じた者ならではの言葉だ。
  宇宙に出た人類はその広大な空間に適応するためにあらゆる潜在能力を開花させ、
  他者と誤解なく誤解なくわかり合えるようになる。
  かつてジオン・ダイクンの提唱したニュータイプ論は人の革新、無限の可能性、
  まさしく力をうたったものだった。

カ)1年戦争に勝利して以来、連邦は常にその見えない力に脅かされてきたと言って良い。
  地球に住む特権階級を告発する力。
  棄民たるスペースノイドに目覚めよと呼びかける力。
  百年近く続いてきた連邦の支配体制を覆しかねない力。
  その見えない力との戦いに、連邦はこの数十年明け暮れてきた。

カ)一方では公的な研究機関も作られたが、あれはニュータイプの持つ兵器的側面のみを
 人工的に強化するマッドサイエンティストの実験場だった

カ)グリプス戦役という内乱、そして、二度に渡るネオジオン戦争。
  行き過ぎた弾圧が招いた軍閥の台頭は連邦を大いに疲弊させたが
  最終的な勝利を約束する強い味方が、彼らにはあった。
  おわかりかな?

ジ)時間…ですか

カ)左様。
  常に結果だけを求める大衆は、明確な定義を持たず、
  可能性しか示さないニュータイプに飽きた。
  その呼び名はいつしか撃墜王と同義になって、誤解なくわかり合える人という
  ジオン・ダイクンの概念から、最も遠い存在とされてしまった。

カ)ラプラスの箱には未来を変える力がある。
  いいや、本来あるべきだった未来を取り戻す力と言うべきか。
  ただし、誰にでも扱えるというわけではない。
  あれは、使い方を誤れば世界を滅ぼしてしまうものだ。

ジ)だから、まず鍵を渡して試そうと?

カ)もしあなた方がひとつことにこだわる狭矮な主義者なら、
  箱がその中身を明かすことはないだろう。

ジ)ひとつこととは?

カ)…ジオンの再興。

どうだろう?勘の良い方なら察しはついたと思われるが、連邦=マイクロソフト、
ジオン=Google、Salesforce、Amazonその他クラウドに乗じた新興勢力という構図で、
PCの普及で一時代を築いたソフトウェアのライセンスモデルからクラウドへの移行を
考えてみると、さまざまな示唆が得られる。ガンダム系の基礎知識がなくついてこれない方
には申し訳ないが、例えば、下記のように読み替えればわかりやすいのではなかろうか。

  確立したライセンスビジネスモデルによる高収益を告発する力。
  クラウドサービスの活用に気づいた開発者やユーザーに目覚めよと呼びかける力。
  20年近く続いてきたWindowsやOfficeシェアの圧倒的優位を覆 しかねない力。
  その見えない力との戦いに、マイクロソフトはこの数十年明け暮れてきた。

そして、この一連の対話の中で、カーディアスが主張していた「時間」という発想は興味深い。

  常に結果だけを求める大衆は、明確な定義を持たず、
  可能性しか示さないクラウドに飽きた。
  その呼び名はいつしかコスト削減の切り札と同義になって、新しいコンピューティングの
  あり方がもたらす可能性という概念から、最も遠い存在とされてしまった。

世の中のWeb化、クラウド化を加速するのがGoogleの果たすべき役割だ、という主張を
聞く機会が多いが、これもこの枠組みにうまいこと合致する。別にマイクロソフトのせいに
せずとも、クラウドによりたいした変革が起こらなければ、大衆が飽きることもあるだろう。
Googleがネット広告時代の一社独占に固執したり、Salesforceが株式公開や有利な条件
での買収(される側)によるExitなど自社の利益を優先することがあれば、大衆の支持を得て
箱がその中身をあかすこと、すなわち世の中に変革をもたらすことはないだろう。

これだけの要素で考えると連邦軍的な我々マイクロソフトの立場は防戦一方で不利にしか
見えないが、連邦軍内部にスペースノイドの可能性を信じるエウーゴや後のロンド・ベル隊が
存在してきたように、我々Azure派が存在している。先日我々の代表、スティーブ・バルマーが
We're all in.で全世界にメッセージを発信
したことからもおわかりいただけると思うが、
マイクロソフト内のクラウド派は日に日にその勢力を増してきているのである。

5年後に世の中のソフトウェア市場、クラウド市場、コンピューティングのあり方が、どこまで
進化しているか、誰が勝者になっているかはわからないが、2010年当時を振り返ったとき、
胸を張って正しい判断と行動をしたと言える存在になっていたいものである。
ラプラスの箱を解放するのは我々でありたい。そう切に願う今日この頃。

クラウドに対する期待が高まる今、「時間」は大切に活用したい。

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