[T-5]TCOツールはじめました。クラウドでホントにコスト削減できそうか皮算用してみよう
クラウドはコスト削減につながる、とは必ずしもすべての場合に言い切ることはできないが、
自分の場合はどうだろうか?というシミュレーションを支援してくれるツールが公開された。
その名も「TCO & ROI Calculator」。Azureのポータルサイトで、Pricingタブにさりげなく
追加されているのだが、これが結構きめ細かいので一度試してみていただきたい。
MICROSOFT MAKES NO WARRANTIES, EXPRESS, IMPLIED OR STATUTORY,
AS TO THE INFORMATION IN THE TCO AND ROI CALCULATOR REPORT.
と、断り書きがあるが、まあそうだろう。あくまでシミュレーション上の概算にすぎない点は
あらかじめご了承いただいた上で、緑色の I Accept ボタンを押すとポップアップ。
まず、どういう目的で使うサービスなのかをアンケート形式で指定してゆく。後にひびき
そうなフラグとしては、アプリケーションのカテゴリをWeb系にするか、エンタープライズ
アプリよりにするか、既存のアプリからのマイグレーションか、SQL Serverを使っているか、
他のシステムと連携の度合いはどのくらいか、といったところだろう。想定される負荷に
ついての質問も、なんとなくその後の展開が読めなくもない。ピーキーな特性はクラウド
向きということなのだろう。
多少まどろっこしい入力項目をちょっとがまんして入れ終わると、
Windows Azureをどの程度使うとこのサービスを運営できそうか、というお見積もりが
できあがってくる。もちろん、あくまで概算に過ぎないが、使用する前に雰囲気がわかる
のはうれしい。これをみながら、インスタンス数やストレージ量、ネット帯域などの
妥当性を見極めつつ、内容を読み解いてゆけばよいのである。
しかし、これだけ見ても、高いのか安いのかよくわからないという方のために、
もしこのサービスをオンプレミスでホスティングしたとするとどうなるか?という見積もり
結果と比較したグラフまでだしてくれるのである。ざっと見る限り、計算ロジックは
明かしていないようだが、先行して検証を進めているシステムでの実測などを根拠に
経験則的なモデルがくまれていると思われる。
もちろん、Windows Azureをサービスとして販売したいマイクロソフトさまが提供している
ツールなので、多少ベンダー側の意図を取り除くための割り戻しは必要かもしれないが、
クラウドを従量課金で利用するにあたり、どのような項目がコストにきいてくるかを
把握してみるためのものと割り切れば、良くできたツールといえるのではなかろうか。
クラウドの話になると、どうもAmazon EC2とGoogle App EngineとWindows Azureを並べて
どれが一番オトクか?という話になりがちだが、すでにあるWindows資産を使うことを
前提におくと、悩むポイントはクラウドを借りるか、オンプレミスでサーバーたてるかに
あるのが現実だろう。
取らぬ狸の皮算用、クラウドの活用をご検討中の方は、是非お試しあれ。