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日経NETWORK特集「ネットワークから見たWindowsAzure」の視点は意外とレアかもしれない

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クラウドを語る際、サーバー側の仮想化の話や、空調他電力効率の話、開発手法の話などはよくでてくるが、
意外と少ないのがネットワーク視点でのクラウド議論。今回の日経NETWORK 2009年10月号では、
「ネットワークから見たWindowsAzure」という特集が組まれている。

P.61からP.71まで10ページカラーで掲載していただいており、見出しは下記の通り。ご興味もっていただいた方は
書店売りしているところは社内の定期購読を見回すか、何かしらの手段でざっと目を通していただければ幸いだ。

Part1: WIndowsAzureの概要:アプリケーション実行環境を提供。Server2008と仮想化で実現
- コンピュータ・リソースをシェア
- スケーリングなどが容易
- Azureはアプリの実行環境
- マイクロソフトが提供する安心感
- 実態は2008を使ったサーバーの仮想化
- 「ロール」単位で管理する
- クラウドは適材適所で選ぶ

Part2: WindowsAzureを上手に使う:遅延とスループットが課題。データ・センターの場所に注目
- Azureはデータ・センターを選べる
- 距離が遅延の増大に直結
- スループットは保証できない
- 接続性は99.95%を保証する
- ISPもデータ・センターの場所で決まる
- セキュリティは認証で確保する

私と同じチームの平野と関田が取材対応させていただいた内容に、独自の調査を付加して編集し
記事にしていただいたものである。特に後半のネットワーク遅延の問題については、普段クラウドの
話をしていても気にされないケースが多いが、ネットワークの専門家からみるとさらっと流して
しまえない問題である。

記事中、AmazonのCloudFrontについても触れられており、何らかのキャッシュ的な仕組みが
クラウドサービスのスループットを確保する上で今後重要になってくるだろうという話はもっともだ。
WindowsAzureでどう解決するかは、こうご期待だ。

一躍ベストセラー作家?になられた「クラウドの衝撃」の著者NRIの城田真琴氏が、昨日からtwitterを
はじめられている
ようだが、「クラウドの衝撃」の中で衝撃をもっともうけるのはユーザーや開発者、
ソフトウェアベンダーではなく、基盤構築を生業にしていたSI'erであろうといった意味合いの警鐘を
(自社に対して?!)鳴らしているが、ネットワークの視点が入ってくると少し状況が変わってくる。

例えば、Azureを含むクラウドベンダーのSLAは自社データセンターの出口から直近のプロバイダーまでの
接続性を保証するものだが、もし介在するネットワーク業者がクラウドサービスを内包するシステム全体の
SLAを保証することで、新たなビジネスチャンスを見いだすことができる。

キャリア各社は自社ですでにデータセンターを所有し、ホスティング・ハウジング事業を展開している
ことからクラウドベンダーを競合とみてしまうケースが多いように見受けられるが、むしろ各社の
クラウドサービスを部品として抱え込み、ネットワークの接続保証や安心感を付加価値として、
お客様に販売する方向で考えた方が、パブリッククラウドの弱みを批判しながら従来と変わらない
プライベートクラウドなるものを拡販するよりよほど建設的だと、個人的には思ってしまう。
うまく立ち回ればGoogle、Amaon、マイクロソフトを部品メーカーとして手玉にとることもできるだろう。

本質的には、ネットワークの接続性に過度な期待をすることなく、非同期、疎結合、Failure-obliviousな
アーキテクチャ設計ができるエンジニアが増えてくるのを待たなくてはならないが、
それまでの間、クラウドの利便性を補完するために、ネットワーク業者が担う役割は大きい。

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