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クラウド戦役をZガンダム視点でわかりやすく解説するブログ+時々書評。

Javaの実行環境は所詮Windowsアプリでもあり、Azureでも動くのは当然という事実

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GoogleがGAEでのJava対応を発表してからしばらくたち、JavaVMを足場にした
JRubyなど他の言語への対応や、Sunの無責任発言まででてきたが、
マイクロソフトの動きをそろそろ覗ってみてはいかがだろうか。

マイクロソフトはJavaに無関心?そんなはずはない。.NETの宿敵として、
開発者やエンタープライズ向けソフトウェアベンダーのプラットフォームとして
大いに関心を寄せている。そして、そのマイクロソフトの中でInteroperability
(相互運用性)を高める切り込み隊長役を勤めることになるかもしれないのが
Windows Azureである。

邦題「マイクロソフト ビル・ゲイツ不在の次の10年」(原題:Microsoft 2.0)
の著者であり、マイクロソフトの事情通であるMary Jo Foleyさんも自身のブログ
All About MicrosoftAzureのJava対応について触れている。

彼女の切り口はWindows Azure上でService Busを司る .NET Services のJava SDK
用いてJavaアプリケーションからWindows Azureのリソースにアクセスするという
SOA的疎結合アプローチである。これにより認証の問題やSOAのロングトランザクションなどの
制御を外部のJavaアプリケーションから行いやすくなるという話だ。
オープンクラウドマニフェストの一件でも触れたが、相互互換性ではなく、相互運用性を
高めることでオープン性を訴求するのはマイクロソフト派として広報的、優等生的見解だ。
Windows Azure上で呼び出されるサービスは.NETで構築される前提であるからである。

一方、Windows AzureのテクニカルストラテジストSteve Marxはもう少し際どい線まで踏み込んでいる
以前PHPがAzure上で動くという話は紹介した。その際、FastCGIが動作するという言い方をしているが、
アンマネージドコードも実行可能になっている。マイクロソフト派ではない方々のために
誤解を恐れずにもう少しかみ砕くと「.NET Frameworkに対応していなくても、巷に存在する
Win32アプリはAzure上でも動作する
」ということである。(Azureの環境は64bit。念のため)

ということは…、Windowsで動くJREも当然動く。

PHPを動かした際も、PHPの実行環境をパッケージに同梱してAzure上に配置している。
これと同じ事をJavaでもやってしまえばよいのである。

しかし、とりあえずJavaが実行できるという話と、全体のアーキテクチャとしてクラウドならではの
分散処理や永続化に都合のよいストレージでスケーラビリティを享受できるとか、IDEと連携して
開発生産性を高められるとか、そういった次元にまで進められていないのは事実である。
これは、Google陣営も同じだろう。

Sunの無責任発言は現段階においてはいささか度が過ぎると個人的には感じており、
開発者コミュニティがテクノロジーベンダーの「かゆいところに手が届かない」状況を解決して
ゆくべきではないかと思われる。そのような動きが顕在化してくれば、Googleもマイクロソフトも
(Sunにその意志や体力があるかどうかはわからないが)支援の手をさしのべるに違いない。

そして、ここで意識していただきたいのはブルーオーシャン的発想だ。
Azureで.NETアプリを動かしたり、GAEでJavaを動かす検証は、世界中で多くのエンジニアが
すでに着手し、さまざまな報告をあげている。では、ちょっとひねって、AzureでJavaアプリを
動かしてみたり、開発やデバッグ、テスト、デプロイを便利にするツールを作ってみるという
切り口となると、ここには広大なブルーオーシャンが待っている。きっかけと技術の両方を
持ち合わせている人というのは案外いないものである。我こそは!と思われる方は是非試みていただきたい。

我々もまだ準備が十分でないため、マーケティングメッセージ主導で「AzureでJava動きます!」と
宣伝して回っているわけではない。Azureの商用展開リリースを控える現状、社内でそのための
リソースを十分に割くこともできない。その状況を利用して一旗揚げるエンジニアが日本にいてもいいと思う。

「一昔前の人々はこの何倍ものGに耐えながら宇宙に出た。彼らは宇宙にこそ希望の大地があると信じた。
自分たちを宇宙に追いやった地球のエリート達を憎むことよりその方がよほど建設的だと考えた。
地球の重力を振り切った時、人は新たなセンスを身につけた。それがニュータイプへの開花へとつながった。
そういう意味では確かに宇宙に希望はあったのだ。」
(クワトロ・バジーナ大尉@アウドムラより打ち上げられるシャトル機内にて)

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