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ITIL V3でいうサービスストラテジとは何か

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先週、@ITさんにITILv3(アイティル・ブイスリー)に関する新たな寄稿をしたので紹介します。

認知度は高まってきましたが、まだまだ企業内への浸透がいまひとつのITIL(IT Infrastructure Library:アイティル)。昨年5月末にバージョン2→バージョン3にパワーアップしてから、「なんだかよく分からないぞ」という人が増えているようなので、具体的にITILv3のプロセスを取り上げて内容を説明しようという趣旨の連載です。

今回は、ITILにおける全ての始まりとなるサービスストラテジの概要を取り上げてみました。

【ITIL V3でいうサービスストラテジとは何か】
http://www.atmarkit.co.jp/im/cop/serial/itilv3/03/01.html

サービスストラテジの書籍は、次の目次構成となっています。

1. Introduction(1章 序章)
2. Service management as a practice(2章 プラクティスとしてのサービスマネジメント)
3. Service strategy principles (3章 サービス戦略原則)
4. Service strategy (4章 サービス戦略の原則)
5. Service economics (5章 サービスの経済学)
6. Strategy and organization (6章 戦略と組織)
7. Strategy, tactics and operations (7章 戦略、戦術、運用)
8. Technology and strategy (8章 技術と戦略)
9. Challenges, critical success factors and risks (9章 課題、重要成功要因、リスク)

1章から3章の中盤までは、ITIL V3の全体的な考えを示した内容となっています。そこまでの重要な点は、本連載の第1回「ITIL V2をめぐる課題とV3の誕生」と第2回「ITIL V3はV2からどこが変わったか」でお伝えしましたが、今回はサービス戦略の根幹について説明しており、ITILv3のアウトラインを理解するには必須の知識と言えるでしょう。

私の手元にはサービスストラテジの英語版と日本語版の両方の書籍があるのですが、見比べてみると日本語版の意訳・直訳の状況が分かってなかなか面白いですね。

例えば、「市場での焦点とポジション」「独自能力」「パフォーマンス構造」という3つの考え方をサービスストラテジでは重要視していますが、英語では「Market focus and position」「Distinctive capabilities」「Performance Anatomy」と表記されています。アナトミーという言葉の響きなど、歴史の時間に習ったターヘルアナトミアくらいしか記憶にありませんよ。

他にも多くの日本語訳でかなり頑張っているので、原著と比べると多少ニュアンスに差を感じるところもあるかもしれませんが、サービスサポート:青本/サービスデリバリ:赤本(ITILv2)からは格段に読みやすくなりました。

とはいえ、1冊2万円以上で5冊分、しかもそれなりに専門的な言葉で書かれているHow-to本ですから、なかなかその内容を具体的な運用改善に結びつけるのかを知る機会は少ないと思いますので、今回の連載でそういったところをカバーするようにしていきます。

宜しければご覧下さい。

【ITIL V3でいうサービスストラテジとは何か】
http://www.atmarkit.co.jp/im/cop/serial/itilv3/03/01.html

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