オルタナティブ・ブログ > 情報インフラ24時 眠らないシステム >

「仮想化」をキーワードに情報インフラの世界を考察します。

三菱東京UFJ銀行でシステム統合第2弾、無事完了、良かった

»

以前のエントリで三菱東京UFJ銀行とセブン銀行間で起きた障害について触れましたが、 さらに難易度が上がったと言われるシステム統合第2弾は無事に完了したようです。

7月4日から7日早朝にかけて行われた今回のシステム統合では、旧UFJ店舗(日立製)のシステム切り替えを対象としていたため、 5月に行った旧東京三菱店舗(日本IBM製)の切り替えと比較して難易度が高いと言われていました。

※新システムは日本IBM製

先週からテレビのCMなどで頻繁に三菱東京UFJ銀行のATMが週末にサービスを一時停止する告知が流れていたこともリスクマネジメントの観点で好印象でしたが、 何よりも目に見えた障害が1件も無かったというのは素晴らしいですね。

これは本当に素晴らしいことだと思います。ソフトウェア工学の世界で「ゴンペルツ曲線」というものがありますが、 これを見るとすべてのバグを検出するには膨大なテスト工数を要することを直感的に理解できるでしょう。

※『ゴンペルツ曲線』で検索すると成長曲線がすぐに見つかると思います

これを思えば、この7月の統合に向けて同行がどれほど綿密なテスト計画を立案し、 膨大なテストサイクルを実行に移していたかは容易に想像がつきます。

実際、新聞メディアではテスト回数を100万回→110万回!に増やしたようで、 その結果が今回のサービス停止に関わる障害ゼロ件です。

今回の対象となった9店舗はいずれも小規模店舗であり、本番は残り415店舗の方でしょう。しかし、 このパイロットケースで統合プロセスを1サイクル回したのは大きな経験です。

本件に関わっている方の努力が実って本当に良かったと思いますし、次の切り替えもきっとうまく行くと願っています。

Comment(0)