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情報格差などがもたらす情報社会の問題について考える

ステマに対抗するには情報リテラシーが必要だ

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巷では、グルメ情報のレビューサイト「食べログ」上で、やらせ問題(評価情報の意図的操作)が発覚した。その問題を巡って対策などを考えてみた。結局は情報リテラシー問題にも関わる事であり、今回の記事では、自衛策についても言及する。 なぜ「食べログ」などの評価サイトで評価情報を意図的に操作するのはよくないことなのか? 最近、「食べログ」上で、特定の飲食店に対する好意的な評価を書き入れるかわりに、その飲食店から見返り(金銭など)を授受するというクチコミ代行業者が存在することがわかり、問題になっている。この手法は、昔からあり、ステルスマーケティングの一種である。消費者に誤った判断をさせ、場合によっては消費者に不利益を与えるという意味では望ましくない出来事である。 評価情報を操作するステルスマーケティングとは? ステルスマーケティング(ステマと称する事が多い)とは、消費者に宣伝と気づかれないように宣伝行為をすることで、アメリカでは情報提供者が何らかの報酬を得ている事は明示すべきという法規制を導入している。ステマは極端に言えば、情報弱者をターゲットとする商売である。なお、個人的には、ステマの効果については懐疑的である。本当に良い製品・サービスならステマがなくても売れるものではあるし、悪いものなら結局は売れないであろう。もちろん、良いものを良いものとして伝えるプロモーションの努力は必要であろう。ただ、製品・サービスの価値を歪めるようなものは、結局淘汰されるでしょう。 やらせ問題防止するにはどうしたらよいか? 今後はやらせ問題を防止するためには、以下の2点を是非とも実現してほしい。 (1) プロモーションにおいては、宣伝に関わる情報対価(投稿料の有無など)や価値基準(宣伝文句の根拠)の明示をするよう法規制を設置する。(後者は既にあるがもう少し厳格化しても良いと思う) (2) 消費者側が広告・宣伝から得られる情報を正しく判断出来る情報リテラシー教育の確立。 (1)(2)のように消費者の視点に立ったさまざまな保護施策が必要である。特に(2)はほとんどなされていないのが現状であり、今後もっと力を入れていくべき点でしょう。 もう1つ気になる事 -ラベルを付けたがるマスコミ- もう1つ、今回の問題をマスコミは食べログのような「評価サイト」はステマが入るため信用出来ないとパッシングしているのが気になる。核心なのは、上に書いたように消費者視点で正しい広告・宣伝情報をどう扱うかという点であって、ステマ云々はその次の問題である。マスコミは「ステマ」というラベルを付けて、注目度を向上して嗜好性を高める方に力を入れているように見える。しかし、本当に注目すべきなのは、ステマがダメと決めつけるのではなく、どう扱うべきかである。ここでも同様にマスコミに踊らされず、核心なのは何かを見る側が判断出来るよう、情報リテラシー(あるいは、新聞・TVといったメディアに絞った意味でのメディアリテラシー)の向上が必要である。 評価サイトのオススメの使い方 評価サイトの評価はさまざまな立場の人の意見が入っていると考えた方がいいです。理想は評価サイトは中立であるべきですが、中にはステマも入っている可能性も払拭は出来ないので、以下の3点をされることをオススメいたします。 (1) 評価ポイントの母数を確認する。多いほど中立的な評価であると見なせる。 (2) レビュアーのプロフィールを良く見て信用出来るかどうか判断する。 (3) 複数の評価サイトの評価を総合して判断する。 より良い製品・サービスをお客さまが判断して選び取るのは当然のことであり、そういう仕組みを持つ世の中になって欲しいと切実に願っています。

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