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【ユニクロのプレスリリースを「中国の圧力に屈した」と評することに「?」がいっぱい】

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皆様こんにちは。鈴与シンワート株式会社の正林です。


2012年09月19日のBLOGOSにて


というものが掲載された。これは前日18日の同社のプレスリリースを引き合いにしての批判である。

僕自身は、いち早くこのようなコーポレート・メッセージを発信した株式会社ユニクロ(以下、ユニクロ)に企業の模範的な動作として深く感銘を受けたし、ユニクロという企業の強さの源泉たるカルチャーを感じたのですが。

にも関わらず、BLOGOSのTOPページでは

「中国の圧力に屈したユニクロ」
-暴力を振るわない日本に対しては強く、暴力を振るう中国には弱いということだろう-

なんてサブタイトルつき、というセンセーショナルなタイトルで掲載されており、個人的な違和感を覚えたのである。

ここで引用されたプレス・リリースは下記の内容である。

「弊社にて調査いたしましたところ、上海郊外の一店舗におきまして、9月15日午後、当該店舗の現地従業員が独自の判断により、上記内容の張り紙を掲示し、約40分後、撤去していた事実が判明いたしました。
 本件は会社の指示によるものではなく、また、他の店舗におきまして、このような事は一切起きておりません。
(株)ファーストリテイリング、並びに、(株)ユニクロは、一私企業が政治的外交的問題に関していかなる立場も取るべきではないと考えており、このような行為があったことは大変遺憾であると考えております」

というもの。
※プレスリリース原文はこちら

全体の構成としては、上記のリリースと同社社長である、柳井正氏の2005年の発言とされる下記内容との対比で今回のユニクロの対応を批判している。
「『なぜ靖国神社に行くのか分からない。個人の趣味を外交に使うのはまずいんじゃないか』と憤るのは『ユニクロ』を展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長(56)。『政治が経済の足を引っ張っている』と小泉純一郎首相を厳しく批判した。(略)『隣国として日中は抜き差しならない関係。この関係が破滅的になれば、日本という国だってなくなる可能性がある』と語気を強めた」
(2005年12月26日付時事通信より)

僕自身、元のソースを探したもののキャッシュすら見つからなかったので真偽のほどは明らかではないけれど、この引用が正しかったとしてもやはりこの論理展開には強引さを感じざるを得ない。

この中で言わんとしているのは要するに

『2005年に柳井社長が政治に対して文句をいっているのに、ユニクロのプレスリリースでは政治問題は中立をとるという趣旨が矛盾していて、「弱腰極まりない」』

ということ。
何度読んでも、僕にはまったく意味が分からない。まず、

● 「ユニクロ」という企業姿勢の批判と「柳井氏」の個人批判とを混同している

● 2005年の柳井氏の発言とされるものが、企業としての「ユニクロ」のコメントでは無い
  ※柳井氏は例えば2012年3月にも産経ニュースへ「政府に対する意見」を述べている訳ですが、これを読んで「ユニクロ」の企業としての発言と捉える人はおそらくほとんどいない、と考える。

● 2005年という7年近くも前の発言を引用して、当時と異なる現在の経済環境や国際関係、を考慮せずに単純に差異を抽出している

これらを踏まえて、あまりに短絡的で非論理的な意見と、僕個人的には思わざるを得ない。

ユニクロの今回のプレスリリースは、事実を認めつつその経緯を隠すことなく明らかにしており非常に好感の持てる内容だ。その上で、「中立であることすら危険かもしれない」状況にも関わらず確固たる企業としての姿勢をを明言しており、企業の対応とはかくあるべき、と言える対応だと考える。そして、何よりもスピーディーであった。

常識あるビジネスマンであれば、誰だってそう思うはず、というのが僕の感覚だし理性なのだけれどこれっておかしいですか?

<了>

-正林 俊介-


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