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アジャイルに行こう!

『JUnit の歴史とテスティングの未来(Kent Beckインタビュー)』を訳します。

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"Software Engineering Radio" という PodCast の Kent Beck のインタビューがとても面白かったので、要点を日本語訳したい。

http://www.se-radio.net/2010/09/episode-167-the-history-of-junit-and-the-future-of-testing-with-kent-beck/

1時間くらいのインタビューなので、一人で全部やるのは辛い。。。と思い、リレー形式でこれを訳するプロジェクトを @urimaro さんと(勝手に)立ち上げました!参加したい人は、ぼくか@urimaroさんがこの PodCast を訳したブログや日記に、参加意思表明のコメントをください。基本、先着でまわしたいと思います。

ではここから。正確に訳しているのではなくて、ポイントを日本語にしていきたいと思います。インタビューのホストは、Martin Lippert さんです。

Martin: まずご自身のことを少し話してもらえませんか?

Kent: ぼくは第三世代ギークなんだ。祖父がラジオギーク、父が電子工学ギーク、そしてぼくが、プログラマーギーク。そんなわけで、環境的には技術に触れる機会が多く育った。12歳のときにプログラムを始めた、兄のプログラマブル電卓で。

いくつかぼくがやったことを紹介すると、ソフトウェアパターン、エクストリーム・プログラミング、テスト駆動開発、xUnit。xUnitでは、Smalltalkで実装されたアーキテクチャをErick Gamma と一緒にJavaに翻訳した。それから、Responsive Desing、他に何か興味を持ってくれることがあるかな?

Martin: たくさんの本を書いていますね。コミュニティに影響を与えています。

Kent: これまでに8冊書いた。

Martin: コミュニティーでは有名ですよね。

Kent: そうだね、ギークにはね。(笑

Martin: twitter で Softtware Engineering Radio を聞いていると言っていましたがホント?

Kent: うん。ぼくは南オレゴンのど田舎の小さな町の横の小さな村、8ヘクタールの牧草地と森林の中に住んでいる。だから、農家の仕事が多い。そこで牛にえさをやりながら、たくさんのポッドキャストを聞いていて、Software Engineering Radio もその1つで、おそらく全エピソードを聞いたと思う。

Martin: ありがとう。JUnit の歴史について話してもらえませんか?

Kent: ぼくの職業プログラマとしての最初は、Smalltalkだった。Smalltakはテスティングの習慣がある。ちょっとプログラムを変更したら、ちょっと動かしてみる。というインクリメンタルなサイクルを回す。でも、それは自動化されていなかった。以前コンサルタントとして開発プロジェクトに助言を求められたときに、自動テストを書いてみるようにすすめたかったが、やり方がなかった。Smalltak でやっていることの構造を、そのままオブジェクトモデルにそのまま実装したらどうなるか考えた。Workspaceがクラスで、変数がインスタンス変数、テストしたいコード片がメソッド。これは、ナイーブなマッピングだ。そこで、マニュアルでテスティングしている部分、すなわち、プリントアウトして期待される結果と比較することを、「じゃあ、ここはコンピュータにやってもらおう」と考えた。これが、assertionの原型。ここまでが、アーキテクチャの起源だ。いつごろだったかな、うーん、1992かな。これが最初のユニットテストのフレームワーク。

数年後、スイスにいたときにErich Gammaといっしょにときどきプログラミングしていた。Javaはそのとき新しい言語だった。この言語の学習をかねて。OOPSLAでぼくはこのテスティングアーキテクチャについて話をしたのを彼が聞き、彼がJavaの話をしてたのをぼくが聞いて、一緒に座って最初のJUnitを一緒に書きはじめた。テストファーストでね。これはおもしろいブートストラップ問題だ。テスティングフレームワークをテストファーストで書くというチャレンジだ。

最初に出来たバージョンは、とっても小さい。そう、JUnitはとっても小さい。こんなものに価値があるのだろうか?これをアトランタのMartin Folwerに送った。すぐに彼はためしてみて、"This is Cool!"という感想をくれた。そこで何人かに送ったが、いいフィードバックがもらえた。こんな具合に、JUnitはスタートしたんだ。

Martin: Wow! そこから何が起こった?

Kent: これが、、、1997年。最初のバージョン。今ではバージョン4になって、その間に大きなアーキテクチャ変更が起こった。サブクラスからアノテーションへ。別な言葉でいうと、「フレームワークのメタファー」から「DSLのメタファー」へ。サブクラスを作ってメソッドをオーバーロードするという「フレームワークのメタファー」から、Javaだと"アノテーション"を使うという「DSLのメタファー」へと移行した。NUnitの初期を、James Newkirk のマシンで、まだ数ファイルだったが、見た。そこで、アノテーションを使っていたんだ。そこで、「おー、これはクールなアイディアだ!」となった。それまでtestでテストメソッドを始めることが約束で、これは、メタデータの一種だといえる。この部分をフレームワークが解釈している。JUnitは言語であり、Java言語とは違ったセマンティクスを持っている。継承は違う意味を持つ。ぼくらはこのJUnit言語ともいうべきものを、Java言語上に構築して、それをJUnitフレームワークが解釈して実行している。でも、アノテーションを使えば、コンパイラーがさらにうまく助けてくれる。例えば誰かが間違って、testでなくtsetからテストメソッドを始めると、それは動かない。でも、それが間違いであることに気づかない。でもアノテーションを使えば正しく書いているか、をコンパイラーが支援できる。

Martine: 他の言語でも、xUnit の実装はたくさんありますね。。。。

はい、ここまで。。。。。以下、@urimaro さんにバトンをお渡しします。PodCastの音声の経過時間は、8:46 です。つづきはこちら。→

(※10/5 追記 @urimaro さんが、続きを訳してくれました。
※ 10/13 追記 @friedgristle さんが、その続きを訳してくれました。)

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